座談会 <プロに学ぶCRM活用(後編)>
顧客接点の多様化が加速する中で、サンリオとパルコはデジタルツールを駆使し、CRMを積極的に推進している。その中心的役割を担う、デジタルマーケティングのプロフェッショナル2名に、顧客とのコミュニケーション施策から形骸化させない秘訣について語ってもらった。
<出席者>(順不同)
<モデレータ>
■<プロに学ぶCRM活用>前編はこちら
渡部 デジタルマーケティングの先駆者のサンリオ田口さん、パルコ安藤さんに前編では、直接的な顧客接点を持ちにくい業種ながら、さまざまなアイデアやデジタルツールを駆使してCRMへ積極的に取り組む背景をはじめ、意義、タッチポイントなどをお聞きしました。両社とも、それぞれの持ち味を生かして顧客に訴求していらっしゃいます。はじめに、CRMのデータ基盤を活用したコミュニケーション施策についてお聞かせください。
田口 全社共通ポイントサービス(会員サービス)「Sanrio+(サンリオプラス)」(アプリ)を中心に、顧客接点の集約を図っています。“お客様とのエンゲージメントを高める”手段として2020年7月に開始し、現在の会員数は220万(ID)を超えました。アプリやWebにログインしてもらうことで、サンリオの店舗、EC、テーマパーク「サンリオピューロランド」、(キャラクター)サイン会、サンリオキャラクター大賞サイトなど、多くの顧客接点で、お客様のデータを収集し、活用しています。
こうしたデータを有効活用するには、“顧客理解”が第一の取り組みになります。お客様の趣味嗜好を、いかにタイムリーに取得していくかが肝心。「このキャラクターが好き」とは言っても、好きの度合いは、人それぞれです。それに、他にも同じくらい好きな“推しキャラ”がいるかもしれません。これらを知るために、ログデータや購買データだけでなく、アプリをいかに使い、どんなコンテンツに反応しているかを、会員属性をはじめ購買データ、ポイントの利用履歴、Webサイトの行動データといったあらゆるデータを細かく取得して分析、真の顧客理解にチャレンジしています。
会員限定2024年12月20日 00時00分 公開
2024年12月20日 00時00分 更新