座談会<プロに学ぶCRM活用(後編)>

2025年1月号 <Discussion/対談>プロに学ぶCRM活用

座談会 <プロに学ぶCRM活用(後編)>

デジタルマーケティングの先達が語る
CRMへの取り組みを形骸化させない秘訣

顧客接点の多様化が加速する中で、サンリオとパルコはデジタルツールを駆使し、CRMを積極的に推進している。その中心的役割を担う、デジタルマーケティングのプロフェッショナル2名に、顧客とのコミュニケーション施策から形骸化させない秘訣について語ってもらった。

<出席者>(順不同)

田口 歩 氏
田口 歩
サンリオ
ブランド管理本部
ファンベースマーケティング部
顧客体験プラットフォーム戦略推進担当
国際データ通信事業者のエンジニアとしてスタート。外資系スタートアップにて動画配信事業など経験。イグジスト・インタラクティブの代表取締役を経て、アイ・エム・ジェイの執行役員を歴任。2012年、サンリオ入社。オウンドメディアの統括、会員サービスを立ち上げる。現在はCRM活用とファンとのエンゲージメント向上に注力。
安藤 彩子 氏
安藤 彩子
パルコ
店舗事業本部
顧客政策部
部長
化粧品・アパレル等のメーカー・小売企業を経て、2018年パルコ入社。各社にて、CRM/デジタルマーケティング関連業務に従事。現在は、パルコ顧客政策部にてデジタルマーケティングや顧客コミュニケーション政策業務、システム開発・管理も含めた全社の顧客政策業務を統括。

<モデレータ>

渡部 弘毅 氏
渡部 弘毅
ISラボ
代表
日本ユニシス(現 BIPROGY)、日本IBM、日本テレネットを経て、2012年にISラボ設立。CRM分野に関する一連の業務を経験。現在は、顧客の心理ロイヤルティアセスメントに関する独自の方法論を提唱。ファンづくりの科学的かつ実践的なコンサルティング手法が注目されている。業界団体や学術団体での研究活動、啓蒙活動にも積極的に取り組む。

■<プロに学ぶCRM活用>前編はこちら

渡部 デジタルマーケティングの先駆者のサンリオ田口さん、パルコ安藤さんに前編では、直接的な顧客接点を持ちにくい業種ながら、さまざまなアイデアやデジタルツールを駆使してCRMへ積極的に取り組む背景をはじめ、意義、タッチポイントなどをお聞きしました。両社とも、それぞれの持ち味を生かして顧客に訴求していらっしゃいます。はじめに、CRMのデータ基盤を活用したコミュニケーション施策についてお聞かせください。

田口 全社共通ポイントサービス(会員サービス)「Sanrio+(サンリオプラス)」(アプリ)を中心に、顧客接点の集約を図っています。“お客様とのエンゲージメントを高める”手段として2020年7月に開始し、現在の会員数は220万(ID)を超えました。アプリやWebにログインしてもらうことで、サンリオの店舗、EC、テーマパーク「サンリオピューロランド」、(キャラクター)サイン会、サンリオキャラクター大賞サイトなど、多くの顧客接点で、お客様のデータを収集し、活用しています。

 こうしたデータを有効活用するには、“顧客理解”が第一の取り組みになります。お客様の趣味嗜好を、いかにタイムリーに取得していくかが肝心。「このキャラクターが好き」とは言っても、好きの度合いは、人それぞれです。それに、他にも同じくらい好きな“推しキャラ”がいるかもしれません。これらを知るために、ログデータや購買データだけでなく、アプリをいかに使い、どんなコンテンツに反応しているかを、会員属性をはじめ購買データ、ポイントの利用履歴、Webサイトの行動データといったあらゆるデータを細かく取得して分析、真の顧客理解にチャレンジしています。

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会員限定2024年12月20日 00時00分 公開

2024年12月20日 00時00分 更新

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