座談会<プロに学ぶCRM活用(前編)>

2024年12月号 <Discussion/対談>プロに学ぶCRM活用

座談会 <プロに学ぶCRM活用(前編)>

デジタルマーケティングの先達者に聞く!
エンゲージメントを高める考え方とIT活用

直接的な接点が希薄で顧客理解が難しい業種もある。しかし、サンリオとパルコという、その代表格といえる2社で、顧客理解のための課題をアイデアやデジタルツールにより乗り越えたプロフェッショナルに、CRM構築の極意について語ってもらった。

<出席者>(順不同)

田口 歩 氏
田口 歩
サンリオ
ブランド管理本部
ファンベースマーケティング部
顧客体験プラットフォーム戦略推進担当
国際データ通信事業者のエンジニアとしてスタート。外資系スタートアップにて動画配信事業など経験。イグジスト・インタラクティブの代表取締役を経て、アイ・エム・ジェイの執行役員を歴任。2012年、サンリオ入社。オウンドメディアの統括、会員サービスを立ち上げる。現在はCRM活用とファンとのエンゲージメント向上に注力。
安藤 彩子 氏
安藤 彩子
パルコ
店舗事業本部
顧客政策部
部長
化粧品・アパレル等のメーカー・小売企業を経て、2018年パルコ入社。各社にて、CRM/デジタルマーケティング関連業務に従事。現在は、パルコ顧客政策部にてデジタルマーケティングや顧客コミュニケーション政策業務、システム開発・管理も含めた全社の顧客政策業務を統括。

<モデレータ>

渡部 弘毅 氏
渡部 弘毅
ISラボ
代表
日本ユニシス(現 BIPROGY)、日本IBM、日本テレネットを経て、2012年にISラボ設立。CRM分野に関する一連の業務を経験。現在は、顧客の心理ロイヤルティアセスメントに関する独自の方法論を提唱。ファンづくりの科学的かつ実践的なコンサルティング手法が注目されている。業界団体や学術団体での研究活動、啓蒙活動にも積極的に取り組む。

渡部 デジタルマーケティングのトップランナーであるサンリオの田口さんと、パルコの安藤さんから、「CRM構築の考え方とファン作りの極意」についてお聞きしたいと思います。まずは、自己紹介からお願いします。

田口 サンリオのブランド管理本部ファンベースマーケティング部に所属しています。従来からのデジタルマーケティング支援に携わった経歴を生かし、2012年からサンリオのオウンドメディアを統括。2020年にカスタマーデータプラットフォーム(CDP)の導入を担当し、全社共通ポイントサービス(会員サービス)「Sanrio+(サンリオプラス)」の立ち上げを担当しました。

 現在は、顧客体験プラットフォーム戦略推進担当として、顧客データの活用、サービス強化を通したファンとのエンゲージメント向上に注力しています。

安藤 私はこれまで、衣料品・アパレルのメーカーや小売のCRMに携わってきました。パルコでは、お客様とのタッチポイントを強化し、よりお客様との距離を縮めたいと、パルコの会員サービス「PARCOメンバーズ」や、館内の自社コード決済「ポケパル払い」といったデジタル領域の強化に着手してきました。

 現在は今年、創設された店舗事業本部顧客政策部の部長を務めています。本部署は、「デジタル推進」と「CRM推進」という2つの部署がひとつになった部門です。「顧客とは、顧客政策とは何か」といった原点に立ち戻って課題を紐解き、政策を再検討している最中です。

渡部 サンリオは、キャラクタービジネスが注目を浴びています。しかし、業種としては卸・小売業です。パルコはショッピングセンターを運営する不動産事業の“館ビジネス”。

 両社とも、一般的な小売業と比べて、顧客と直接の接点を持ちにくい業種ながら、積極的にCRMを実践しています。そこで、CRMを始めた背景や、意義について聞かせください。

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会員限定2024年11月20日 00時00分 公開

2024年11月20日 00時00分 更新

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