2023年5月号 <第2特集>

「Z世代」の問題解決調査

第2特集扉

サポートの根源的課題をあぶり出す
「Z世代」の問題解決調査

「電話しない」「ボットも信用できない」──
進行・拡大する“サイレントカスタマー化”を防ぐ

コールセンターの利用者、つまり「電話で問い合わせする顧客」の年齢層は、明らかに高齢化している。従来から「離反前に問い合わせ対応で問題解決する」「顧客の声を経営や関連部門に共有する」ことが役割だったコールセンターだが、その狙いがおよばないZ世代をはじめとしたサイレントカスタマーにどう対応するか──Z世代へ調査を実施し、識者に見解を聞いた。

 月刊コールセンタージャパン編集部では毎年、「過去1年間でコールセンターに電話で問い合わせをした消費者」を対象に印象調査を実施。回答者の抽出では年齢や職業は自然発生に任せ、男女の回答比のみを均等としている。

 10年前の調査と昨年度調査の回答者年齢を比較したのが図1だ。2012年時点で44.4%だった50〜60代の割合が2022年には68.1%へと拡大。コールセンターに電話で問い合わせをする年齢層は年々上昇し、大半をシニア層が占めている。40代以下、とくに現在の15〜25歳であるZ世代の大半は企業にとって「サイレントカスタマー」ということだ。

 2023年2月、本誌は調査会社のクロス・マーケティングに委託し、Z世代100名を対象に「コールセンターおよび他の顧客接点への印象」などを聞く調査を実施した。その結果と、マーケッターへのインタビューを掲載。企業が「Z世代」および「サイレントカスタマー」に取るべき最善策を検証する。

 図2は、「利用している製品で困ったとき、どのように解決することが多いか」を聞いた結果だ。66%が「Google検索」と回答したのに対し、「問い合わせ電話番号を探す」との回答はわずか9%。さらには「あきらめる(何もしない)」割合は24%に達した。

図1 「過去、1年以内にコールセンターに問い合わせをした消費者」の回答者年齢推移

図1 「過去、1年以内にコールセンターに問い合わせをした消費者」の回答者年齢推移

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図2 利用している製品で困ったとき、どのように解決することが多いか(複数回答あり)

図2 利用している製品で困ったとき、どのように解決することが多いか(複数回答あり)

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原田 曜平 氏

OPINION[1]

SNS依存度が高い日本のZ世代
「短時間の動画」をうまく使おう

芝浦工業大学教授 マーケティングアナリスト
原田 曜平 氏

今瀧 健登 氏

OPINION[2]

役割は“マニュアル外”の対応へ変化
「有人対応」の価値を見直そう

僕と私と 代表
今瀧 健登 氏

鳴海 まい 氏

OPINION[3]

「解決できないからあきらめる」を軽視しないこと!
“逆インフルエンサー”のリスクを回避しよう

トライバルメディアハウス 執行役員/マーケティングデザイン事業本部 本部長/プロデューサー
鳴海 まい 氏

 

2024年01月31日 18時11分 公開

2023年04月20日 11時41分 更新

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