<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。
ロート製薬
操作をガイドし入力ミスを防止
「記憶に頼らない」仕組みで平準化を実現
労働集約型の職場となるコールセンターでは、全オペレータが同じレベルで業務にあたる必要がある。しかし、業務内容が複雑かつ多岐にわたるほど個人差が出てしまう。
ロート製薬のお客様サポートセンターは、約20席と少数精鋭なため、オペレータ全員がマルチスキルかつマルチタスクの体制を敷いている。消費者からの問い合わせ対応や、VOC(顧客の声)収集、頻繁には発生しないイレギュラーな応対と業務は多岐にわたる。
製品数は旧品あわせて1000種類以上にのぼり、記憶力に頼る運用には限界があると、2022年5月、Webシステム上にガイド表示などができるテックタッチのシステムガイドソリューション「テックタッチ」を導入。センターで使うCRMソリューション「SalesforceService Cloud」に実装した。
テックタッチは、画面をマスキングして入力箇所を限定するほか、入力内容や注意事項を示す説明文でのガイド機能、入力ミスやモレ、間違いやすい箇所をアラートで示す機能がある。「センターのスタッフは、コミュニケーションのプロである一方、ITリテラシーにはバラつきがあります。そのため、アプリケーションの操作が分かりやすいことも好評です」と、顧客製品情報部お客様サポートセンターの馬場谷 英司氏は語る。
今月のPOINTS!
■システム概要
操作ガイドをシステム画面上に表示するソリューション「テックタッチ」を導入。オペレータがCRMソリューション「Salesforce Service Cloud」を使用するためのガイドに利用。具体的には、画面にマスキングをかけて入力箇所を限定したり、入力すべき箇所を枠で囲むほか、注意事項などを示している。
■選び方のポイント
主な導入目的は、オペレータの自立学習を支援/教育担当者の負担軽減/発生頻度の低い業務でも誰もが対応できる仕組みの構築など。ITリテラシーを問わず誰でも使いやすいUI設計を評価し、導入に至った。
■使い方のポイント
業務内容は幅広く、イレギュラーな業務まではトレーニングしきれない。そこで、テックタッチのガイド通りに入力を進めれば、処理が円滑に進むようになった。ガイドは入力部分ごとに細かく表記ができるため、操作に困った場合も説明書を見る必要がない。そのため、管理者の説明書を作成するなどの準備にかける時間も削減できている。
顧客製品情報部お客様サポートセンターの馬場谷 英司氏
図 実際の操作画面。ガイド機能が注意を促す
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2024年01月31日 18時11分 公開
2023年04月20日 00時00分 更新