本誌記事 インタビュー immedio 浜田 英揮 氏

インサイドセールス部門の悩みを解消したい

インタビュー

インサイドセールス部門の悩みを解消する!
「見込み客との商談決定プロセス」を自動化

“インサイドセールス”の機運が高まっている。だが、見込み客に電話をかけてアポイントを取る業務は、“人力”に依存する。こうした状況を支援するインサイドセールス支援ソリューション『immedio』を展開する浜田英揮氏に、インサイドセールスの現状などについて聞いた。

浜田 英揮 氏
immedio
代表取締役
浜田 英揮
PROFILE
新卒で三井物産に入社し、IT分野の新規事業を担当する。Harvard Business School留学後、M&A推進室にて投資案件の実行に当たる。2016年、bitFlyerに参画。US拠点でCFO/現地拠点長を務める。2019年、Sansanに参画。Bill One PMM・Sales Development副部長を担当。2022年、immedioを創業し、代表に就任。

──コロナ禍以降、インサイドセールスを強化する企業が増えているようです。

浜田 大企業もインサイドセールスに着手するなど、マーケットは拡大傾向にあると思います。似たものとして、テレマーケティングを連想する方もいらっしゃるでしょう。しかし、決定的な違いは「マーケティングとの連携の度合い」です。テレマーケティングは、ある条件に基づいて集めたリストに対し、一斉にアプローチすることが主な目的です。インサイドセールスは、マーケティングが獲得したリードに対し、中長期的なナーチャリングを実施して成約につなげる役割を担います。

 当社のインバウンドから商談の創出を図るサービス『immedio(イメディオ)』は、インサイドセールスのプロセスを自動化できる特徴があります。導入企業数が増加傾向にあることからも、インサイドセールスの伸長を実感しています。

──イメディオはどういったソリューションでしょうか。

浜田 インサイドセールスの手法として、2つあります。インバウンドでの反響型営業のSDR(Sales Development Representative)と、アウトバウンドで新規開拓を行う新規法人営業のBDR(Business Development Representative)です。BDRは、エンタープライズターゲットの選定など、戦略的な側面が強い。それに対してSDRは、問い合わせから見込み客との商談の機会を創出します。そこで、後者のプロセスの一部をイメディオで標準化し、自動化を図ります。特徴は次の3点です。

1)資料請求や問い合わせのあった“ホットリード”、つまり温度感の高い顕在層の顧客に、最短で確実に商談を設定する

2)アポイントが取れなかった場合、資料請求者には電話をするといったインサイドセールスの業務を効率化できる。顧客情報の獲得やアポ日程の確定などは自動化が可能

3)関心度が高まってきた瞬間を捉え、ナーチャリングを支援する

──ユーザーの評価の高い機能は。

浜田 核となるのは、1)です。資料請求や問い合わせが発生するのは、主にWebサイト上の「問い合わせ」「資料請求フォーム」です。現状の対応方法は、これらのフォームから連絡があると、CRMデータベースに請求者の情報が入力され、それを営業マネージャーが確認し、各担当者に割り振る方式です。しかし、割り振られた時点で、問い合わせから数時間が経っていることも多く、機会損失につながります。

 イメディオでは、見込み客がフォームに入力した直後、その画面上に「このまま商談を予約しませんか?」といったポップアップが表示されます(画像)。ポップアップ画面には日程などが表示され、インサイドセールスの担当者が電話をせずにアポイントが取れる仕組みです。

ポップアップ画面のイメージ
ポップアップ画面のイメージ

アポイント獲得後の後処理自動化
インサイドセールス人材を支援

──開発の背景は。

浜田 インサイドセールスのプロセスを効率化したいと考えました。先ほどの機会損失の課題もありますが、インサイドセールスの主なミッションは、商品提案です。アポ取りではありません。提案もできる優秀な人材が、アポイントの電話に終始してしまうのは、非常にもったいない。さらに、統計によると、インサイドセールスで(アプローチしたい)当人に、電話がつながる率は約20%程度。割合を考えると、非効率ではないでしょうか。その時間を利用して、ターゲットに対する提案を作り込むこともできるはずです。

 インサイドセールス人材の支援をしたいため、アポイントが取れた際のオンラインミーティングアドレスの自動発行。さらにミーティングの通知やリマインドも、任意のタイミングで送るなど、アポイント獲得後の後処理業務の自動化をほぼ網羅しています。インサイドセールスは離職率も高く、営業やサポートへの異動も多い部署のため、「メンバーが足りない」といった企業をサポートできるとも考えています。

──導入企業について教えてください。

浜田 BtoBのSaaS企業が大半です。中小規模から一部上場企業まで幅広くご利用いただいています。近年、導入が増えているエンタープライズに関しては、新事業の立ち上げ時や部門単位で導入いただくことが多いですね。今後、さらに拡大したい所存です。

──今後、展開したい市場についてお聞かせください。

浜田 まずはエンタープライズ企業への強化。それと、不動産や、人材ビジネスのニーズが高いと感じています。商談の際、オンラインミーティングを多用するサービスや商材と、インサイドセールスの相性が良いと分析しているためです。

 転職サービスでの利用は増加中です。実際には、求職者がサイトへの利用登録を完了すると、その直後にポップアップ画面が表示されるといった、転職アドバイザーとの面談予定を決める場面で利用いただいています。BtoBのみならず、BtoCにも活用の幅を広げていきたいと考えています。

(月刊「コールセンタージャパン」2025年4月号 掲載)

2025年03月20日 00時00分 公開

2025年03月20日 00時00分 更新

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