
2016年の電力自由化から約10年。主要各社の戦略は乗り換えや新規開拓から「顧客リテンション」へ移行、コールセンターの役割も変化している。東京ガスカスタマーサポートの田中社長は、コンシェルジュ型への変革、英国オクトパスエナジー社のシステム「クラーケン」導入による業務改革を断行。経緯と今後の展望を聞いた。
──社長に就任された3年前は、コロナ禍に加え、まだエネルギー自由化の影響も残っていたかと思います。当時の課題を振り返っていただけますか。
田中 労務問題の解消が急務でした。複数の派遣会社から派遣社員を大量に雇用したこともあって、結果としてクオリティやパフォーマンスにバラつきが生じていました。業務を細分化したスキルグループは専門性を高めたものの縦割り構造となり、急な欠員の相互カバーに課題が生じるなど、組織の柔軟性には改善の余地がありました。
──離職予防とマルチスキル化が課題だったということですね。
田中 もちろんエネルギー自由化を含めた市場の変化も影響しています。自由化当初は値下げ合戦などのキャンペーン対応が必要でセンター運営にも大きなインパクトがありましたが、当時、すでに数年が経過し、価格競争から既存顧客のリテンション(維持)に焦点が移ってきていました。カスタマーサポートも単に問い合わせを受けるだけでなく、既存のお客様とどう深く繋がっていくか、どうやって解約を抑止するかがテーマになっています。
会員限定2025年11月20日 00時00分 公開
2025年11月20日 00時00分 更新