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2023年5月号 <FOCUS/ソリューション>

「インタラクティブ動画」の効果

Focus

最大の欠点“途中離脱”を解消する
「インタラクティブ動画」の効果

“百聞は一見に如かず”──動画を使ったサポートは、エフォートレスな自己解決を実現可能にする一方で、視聴に時間がかかることが多く、途中で離脱しやすいという痛点もある。そのため、それを防ぐ「インタラクティブ動画」が注目されつつある。動画にボタンやリンクを仕込み、タップすることで最適な箇所に遷移可能だ。導入事例をもとに、その効果を検証する。

 直感的に理解できる動画サポートのニーズが拡がっている。とくに、アプリケーションや機器の操作案内など、口頭での説明が難しいケースでは、コールセンターでの対応よりも動画で見せる方が分かりやすく、顧客満足度も向上する可能性が高い。

 視聴離脱を防ぐ仕組みとして、「インタラクティブ動画」が注目されている。動画上にボタンを設置し、それをタップするとスキップできる仕組みだ。YouTubeの早送り機能は、操作にある程度の“慣れ”がなければ、視聴したい箇所を見逃す可能性も高い。しかし、タップするだけなら操作は容易で、“不必要な映像を見せられている”という不満を払しょくできる。

 SOMPOひまわり生命保険も、マイページやLINEで給付金請求手続きが可能な仕組みを整備していたが、利用が進まずにいた。給付金請求について説明する動画を公開したものの、自己解決の促進には至らなかった。そこで、2021年7月、動画制作会社のMILが提供する「インタラクティブ動画」を導入。動画を再生すると、「インターネット請求」「LINEでの請求」「郵送請求」と請求方法を記したボタンが表示され、クリックすると各手続きに関するポップアップ表示や動画を表示する。動画の最後には、同社の顧客向けWebサービスの「マイリンククロス」に遷移し、手続きが完結するといった流れだ。必要なシーンのみを視聴できる「ストーリー分岐機能」(図1)や、動画内からそのまま手続き画面に遷移できる「ポップアップ機能」(図2)が搭載されている。

図1 「ストーリー分岐機能」指定した画面に遷移し、最適な動画を視聴

図1 「ストーリー分岐機能」指定した画面に遷移し、最適な動画を視聴

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図2 「ポップアップ機能」動画上にURLを付与し、関連ページに直接アクセス

図2 「ポップアップ機能」動画上にURLを付与し、関連ページに直接アクセス

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2024年01月31日 18時11分 公開

2023年04月20日 00時00分 更新

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