NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(東京都品川区、塚本良江代表取締役社長)は、コミュニケーション・APIサービス『NTT CPaaS』の提供開始をローンチイベントにて発表した。
NTT CPaaSは、Webサイトや業務システムにメール、ボイス、SMSといったコミュニケーション機能とビジネス・ロジックを実装できるサービス。同社と、CPaaSのリーディング企業であるInfobip(クロアチア)と共同で開発した。事業の柱の1つであるビジネスメッセージ・サービス事業のSMS送信サービス『空電プッシュ』を提供するなかで、APIによるシステム連携ニーズが多いことを受け、2023年に『Karaden SMS API』の提供を開始。利用者増を受け、その発展形として本サービスの開発に至った。塚本社長は、「新しいテクノロジーがCX(顧客体験)をどのように変革していくか。デモを通じてお見せしたい」と強調する。Infobip CEOのSilvio Kutic氏も「このサービスによって、素晴らしいサービス体験を提供したい」と自信をのぞかせる。
NTT CPaaSの最大の特徴は、コミュニケーションAPIだけでなく、NTTグループのSMS、音声ネットワーク、「IVR」「二要素認証」「スケジュール送信」といったビジネス・ロジックもワンストップ提供できることにある。例えば、フードデリバリーアプリに音声通話機能を組み込んで、配達員と利用客が電話でやりとりできるようにすることが容易に実現可能だ。
料金は、各コミュニケーション機能の従量課金のみで、その他は無償提供。また、運用は「開発者およびSI部門」と、コンタクトセンターをはじめとする「ビジネス部門」の2パターンを想定。前者向けにはSDK/API機能を標準提供、後者向けにはドラッグ&ドロップ操作(ノーコード)でコミュニケーションフローを設計できるビジュアルビルダー「Moments」を提供する。「従来のコミュニケーションチャネルのシステム実装と比較して、コストを大幅に削減し、スピーディーにサービスを開始できます」(塚本氏)
NTTコミュニケーションズ 技術顧問の及川卓也氏らによってデモンストレーションも行われた。Momentsを使ったECサイトへのSMSを利用した二要素認証やあふれ呼対応の実装を披露。及川氏は、「きわめて効率的で、従来は数週間かかるものでも、NTT CPaaSなら数分程度で実装できます」と説明する。
今後は、NTT CPaaSのコミュニケーション機能群に、ビデオ通話、AIチャットボットを追加する予定。その次の段階として、グローバル展開も目指す方針という。
2025年02月06日 11時00分 公開
2025年02月06日 11時00分 更新