難クレーム対策は、不当な要求行為への対応が焦点だった。それが「カスハラ」という言葉の登場により、深刻な労働問題の要素が加わり、就業環境が害されることへの対応に視点が向けられ始めた。経営問題と化したカスハラについて、消費者関連専門家会議(ACAP)で企業を支援する齊木氏に対策などを聞いた。
──厚生労働省がカスタマーハラスメント対策企業マニュアルを作成して以降、企業側も自治体も対策を進めています。現状をどう捉えていますか。
齊木 私は、食品メーカーで長年、お客様対応の最前線に立ち続けていました。通算すると40年以上、顧客対応に携わっています。「カスハラ」という言葉が取り上げられるようになって以降、社会に大きな変化が生じたと実感しています。これまでの苦情対応は、消費者関連部門の仕事とされ、難しいお客様対応も部門の中で完結することがミッションであったと言えます。
会員限定2024年12月20日 00時00分 公開
2024年12月20日 00時00分 更新