ジェネシスクラウドサービス(東京都港区、ポール・伊藤・リッチー社長)は、2024年10月4日、「生成 AI 活用セミナー~今とこれからを考える」というテーマで、大阪でセミナーを開催。CXMコンサルティング 代表取締役社長の秋山 紀郎 氏による講演や、コンタクトセンターにおいて生成AI活用を実践している企業によるパネルディスカッションなどが行われた。
CXMコンサルティングの秋山 氏からは、生成AIの戦略的導入と未来への展望という観点で、生成AIに期待される用途や、活用におけるメリットおよび課題・リスクについての説明がなされた。最近のコンサルティングテーマとして、生成AIの活用方法の検討、センターシステムの将来像策定などについて多く相談されるとしながらも、生成AIバブルに惑わされず本来やるべきことを検討することが必要と言及。生成AI活用に関しては、コストを下げることに終始するのではなく、顧客サービスの変革や売り上げを向上させるなど、ビジネス面で発展的な利用に注力すべきと説いた。
パネルディスカッションでは、モデレータの秋山氏に加え、コクヨ お客様相談室 室長の山村 隆 氏、かんでんCSフォーラム 経営本部 経営管理部長 兼 営業本部 ソリューション事業部 デジタルイノベーショングループ 部長の平田 和義 氏が参加。コンタクトセンターの現場における生成AI活用について議論があった。
AIの導入例として、かんでんCSフォーラムの平田氏からは、呼量予測への活用について説明があった。その効果としては、人員配置の適正化・最適化、予測時間の節約、業務の俗人化の解消などがあることを示唆。機会学習やオープンソースデータと組み合わせて分析、予測精度を検証して誤差を10%に抑えてサービス提供していると説明した。
コクヨの山村氏は、VOC分析で生成AIを活用していることに言及。顧客のインサイトを読み取ることを手掛けている。顧客の声を生成AIで分析できるプラットフォームを作成し、メールだけでなく電話機による音声データの分析まで着手を予定。顧客対応において、オペレータによる属人的な判断ではなく、客観的なデータ収集・分析に活用できるメリットがあると説明した。
今後の発展的な活用方法として、コクヨの山村氏は、取扱説明書のコンテンツを利用して、顧客体験の向上を図りたいと言及。また、かんでんCSフォーラムの平田氏は、音声認識の認識精度向上に生成AIを活用することを視野に入れていることを示唆した。セッションを通じて、両社とも「GenesysCloud CX」のユーザーの立場からシステム機能の活用についてのナレッジ共有につながったと認識を深めた。
セミナーを主催したジェネシスクラウドサービスからは、生成AIを活用できるソリューションとして予測型、会話型、分析型からなる「GenesysAIポートフォリオ」の説明があった。特に会話型ソリューションとして「Agent Assist」と、上位版「Agent Copilot」を紹介し、AHTや平均通話時間、保留時間、ACWの短縮につながると訴求。また、SVなどの管理者向けのソリューションと組み合わせることで、オペレーション支援から分析など網羅的に生成AIを活用することでセンター全体の平準化につながると提言した。
ジェネシスクラウドサービスは、今回のセミナー開催を始め、ユーザー向け情報発信サイト「Japanコミュニティサイト」の運営や各種勉強会などを通じて、クライアントやパートナー企業の情報交流の機会を設けていく方針だ。
2024年10月10日 00時00分 公開
2024年10月10日 14時00分 更新