座談会
<新人育成のポイント>
「自信を持たせる」「納得感のある指導」
意欲を高める『新人育成』のポイント
コロナ禍が一応の収束を見せ、飲食や観光に活気が戻る一方、コールセンターの人材不足が本格化している。早期離職は現場の大きな負担であり、新人の定着は喫緊の課題だ。4社の新人育成担当者に、育成のポイントやZ世代に対する指導の工夫を聞いた。
未曽有の採用難を背景に、採用した新人を辞めさせないこと、早期に力を発揮してもらうこと──この両立を図る必要性が高まっている。カギとなるのが、「自信の醸成」だ。
あいおいニッセイ同和損害保険は、細かく小さな成功体験を積み、自信をつけて次のステップに進んでもらう教育プログラムを構築。
J:COMは、アウトプットの機会を増やし、わからないまま放置しないよう、それを自ら見つけてもらう時間も設ける工夫を凝らす。
新人の不安を払しょくするには、できるだけ早く「アウトプットのイメージをつける」ことも重要だ。
大和証券は、インプットには必ずアウトプットも組み合わせ、講義で知識を身につけたら、応対ログを聞いて顧客の質問や先輩オペレータの言い回しに耳を慣らし、実際の応対の流れをつかんでもらう。
医薬・医療・ヘルスケア業界のコンタクトセンター運営を受託しているEPファーマラインは、できるだけ早く業務をイメージできるよう、デモ音声を聞くワークやロールプレイングを多く取り入れる。
FAQやチャットボットなど自己解決の手段が浸透し、コールセンターで受け付ける問い合わせが高度かつ複雑になるなか、新人が対応する電話も単純ではなくなっていることから、臨機応変な応対まで身につける教育を実践。応対ログを聞いて「自分だったらどう伝えるか」という視点でシミュレーションを行ったうえ、ロールプレイングを実施するセンターもあった。
出席者(順不同)
八木 今日子 氏
大和証券
東京コンタクトセンター第一部 品質管理課
次長
森 美樹 氏
あいおいニッセイ同和損害保険
コンタクトセンター事業部
大阪カスタマーセンター研修チーム
トレーナー
渡辺 育男 氏
J:COM
東日本統括テレマーケティングセンター所属
解約相談グループ
石井 玲子 氏
EPファーマライン
管理センター 人財開発部
マネージャー
モデレータ
大西 美佳 氏
インサイト
代表取締役
2024年01月31日 18時11分 公開
2023年12月20日 00時00分 更新