SBI証券、カスタマーセンターにAIオペレータ『QANT スピーク』を導入

SBI証券(東京都港区、髙村正人代表取締役社長)は、カスタマーセンターの電話応対にAIオペレータ『QANT スピーク』を導入した。顧客の自由な発話から用件を把握し、適切な解決先へ振り分ける。対象はパソコン操作やアプリ、各種ツールの設定を受け付ける専用窓口「テクニカルリーズン」全体に広がり、年間50万〜60万件の問い合わせに対応している。

同センターでは、新NISAの開始やオンライン取引のセキュリティ対策強化を背景に、入電件数がここ数年で約2.5倍、ピーク時には約5倍に増えた。専門性の高い業務のため採用・育成が追いつかず、現場に出て間もないオペレータの定着も課題だった。

電話ガイダンスにも難点があった。選択肢を増やせば振り分けやすくなる半面、顧客が適切な項目を選ぶ負担は重くなる。混雑を避けて別の窓口へかけ直す顧客も多く、転送や再入電が顧客の不便とオペレータの負荷を招いていた。

『QANT スピーク』は、RightTouch(東京都品川区、長崎大都代表取締役CEO、野村修平代表取締役CCO)が提供するサービス。SBI証券はすでに同社の『QANT Web』『QANT コネクト』『QANT VoC』を利用しており、問い合わせが最も多い電話チャネルで自己解決の促進とCX向上を図るため、今回採用した。

本人確認では、AIが聞き取った氏名を復唱し、判別に迷う場合は複数の候補を示して確かめる。誤認識による確認のやり直しを防ぐ狙いだ。また、AIが把握した用件の要約を『Genesys Cloud』の着信画面に着信と同時に表示する仕組みも整えた。従来は別ページを開く必要があり、表示の遅れから有人オペレータが用件を聞き直すケースが生じていた。

応対時間は月2933時間削減した。平均通話時間の1件あたり1.6分の短縮を、主要ダイヤル全体の月間約11万件に当てはめた推計値である。問い合わせ分類や通話タグ、フローの見直しとテストを約1カ月集中して行い、振り分け精度は90%を超えた。一部の用件ではAIのみで完結する自己解決率が85%に達し、有人対応が必要な問い合わせにオペレータを集中できる体制が整いつつある。

今後はRightTouchの支援を受けてメインの証券ダイヤルなどにも展開し、転送率の低減と自己解決率の向上を目指す。将来的にはCRMとの連携により、取引履歴や関心に応じて適したオペレータへつなぐ仕組みづくりも進める。

2026年10月27日 13時51分 公開

2026年10月27日 13時51分 更新

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