コラム
第31回
国際線において、食事はお客様にとって大切な楽しみの一つです。ですからすべてのお客様にお食事をお配りした後、必ず機内を巡回して、お客様の満足度を伺うようにしています。それは「お食事はどうですか?」と声を掛けることではなく、召し上がっているお客様の顔色などの様子を見ながらその満足度を知るということです。
ある日アメリカ人のご夫婦に食事のオーダーを取ったところ「和食と洋食一つずつください」というお答えでしたので、ご主人に洋食を奥様に和食をお出ししました。食事が始まり、オードブルを召し上がってから、メインディッシュをほんの少し口に入れた途端、奥様の顔が曇りました。その日の和食のメインディッシュはブリ大根だったのです。アメリカ人の奥様にとってブリ大根は独特の味とにおいがあり、明らかに得意ではないことが見て取れました。そこで奥様のもとへ赴き「よろしければ洋食にお取り変えしましょうか」と申し出たところ、とても驚かれた様子で「どうして苦手に思っていることがわかったの?」「オードブルなど口を付けてしまったのに取り替えてくださるの?」と感激してくださいました。そして、アメリカでは考えられない、日本の航空会社ならではの「おもてなし」「気遣い」の極意を見た、と地元のメディアに投稿してくださいました。
会員限定2025年11月20日 00時00分 公開
2025年11月20日 00時00分 更新