スタジアム
スタジアムは、2024年9月よりAIを活用した応対評価ソリューション『Dr.Tel』を提供。通話録音データをクラウド上にアップロードすると、AIが自動で応対を評価し、具体的なフィードバックまで出力するソリューションだ。
同社執行役員、Dr.Tel事業部長の吉田隆洋氏は「音声認識とAIによる自動評価が少しずつ普及していますが、既存のAIソリューションを組み合わせて使うと、パラメータの解釈や導入企業独自の評価項目への適用が難しい場合が多い。当社ではそれらソリューションのパラメータを独自技術とアルゴリズムで適切に組み合わせ、適正なレポートや点数に変換する技術を導入している」と説明する。
文字起こしデータ、生成AIが判断するグッド/バッドポイント、感情解析技術によって得られた複数のパラメータを組み合わせ、各企業が求める評価項目に合わせてカスタマイズ、精度の高いレポートを作成可能だ。使い方としては、音声ファイルをアップロードするだけで、評価項目ごとの点数、レーダーチャートのみならず、改善ポイントの解説までカバーしている。低スコアの通話には具体的で簡潔なコメントが付けられ、誤った敬語など問題のある箇所はハイライト表示され、該当箇所のみの再生も可能とするなど、実際のフィードバックに活用できる仕組みを整備している。
感情解析の応用について、吉田氏は「顧客満足度の低下やオペレータがストレスを抱えて対応しているという状況をピックアップ、分析するテクノロジーを実装しました」と説明したうえで、「感情解析の課題とされているのが、評価のばらつきとその根拠。どんな解析エンジンでも、無加工で使うとこの課題に行き当たる。当社は企業ごとに実施されている過去の評価をモデル化することで、ブレのない評価を提供できる」と強調。例えば、曖昧になりやすい「自信のある対応」などの項目においても、過去に導入企業のSVが評価した実績をもとに評価するので、そこまで大きな違和感は発生しない。
現段階の導入効果は、評価する側の省力化、工数削減だが、「一部のユーザー様においては、受注率といった収益にインパクトのあるKPIとDr.Telの評価が連動するという実績を示していただけており、現場の生産性だけではなく、ロイヤルティやCX向上にも貢献するツールという点を訴求する方針」(吉田氏)と今後の進化を示唆する成果も出始めているようだ。
吉田氏は、「過去に感情解析を試した運営企業は多いものの、“うまく使いこなせない”というイメージを持たれている傾向が強いのは否めない。それを払拭、啓蒙していきたい」と意気込みを示した。
2025年06月20日 00時00分 公開
2025年06月20日 00時00分 更新