Zendesk(東京都中央区、冨永 健 日本法人社長)は2024年7月、大阪に国内2拠点目となるデータセンターの稼働を開始した。同社がデータセンターを国内に複数拠点保有するのは、本社を置く米国以外では初。複数拠点の稼働で、国内ユーザーのデータを国内で保持したいというニーズに応えるとともに、セキュリティ対策とレジリエンス(障害発生時の回復力)の強化につなげる。
また、自社のCXツールで連携する生成AI運用アプリケーションとして、Amazon Web Services(AWS)の「Amazon Bedrock」とAnthropic社の「Claude 3」を連携開始。ユーザー企業が大規模言語モデル(LLM)を活用できる環境を整備した。
Zendesk 日本法人社長の冨永 健氏
Zendesk 日本法人社長の冨永 健氏は、「当社は今年3月に次世代型AIボットベンダーの『Ultimate社』を買収するなど、AIによるサポートの充実を進めております。コンタクトセンターのWebサポートにおいても、従来のFAQサイトでのキーワード検索だけでなく、今後は自然文で質問してAIが回答し、さらに支払い手続きやアカウント解約などの手続き処理まで一連の対話の中で実施できるサービスを提供していきます」と、生成AIの活用の概況を解説する。
Zendesk President of Global Sales and Field EngineeringのChris Donato氏(左)、
Zendesk Chief Technology OfficerのJason Maynard氏(右)
Zendesk President of Global Sales and Field EngineeringのChris Donato氏は、「日本国内の経営者は世界全体で俯瞰しても、CXの変革やAI技術への投資に対して好意的で、当社としても日本は極めて重要な市場と認識しております」と日本市場への期待を述べたうえで、「TAM(実現可能な最大市場規模)で見積もると、AI市場は今後5年間で500億ドルから900億ドル規模まで拡大すると予測されます。当社ツールはグローバルに10万社以上で導入されており、今後プラットフォームの強化を通じて、2027年までに30億ドル規模の組織拡大を目指します」と語った。
Zendesk Chief Technology OfficerのJason Maynard氏は、生成AIの台頭によってCXの変革期にあると強調。さらに、「当社の『AIエージェント』においても、各種LLMと連携し、高度な対話を実現できます。日本のお客様はセルフサポート体制の実現に対する期待は高く、当社のCXツールは日本企業に極めて最適です」と説明した。
同社は、CXおよびAIに関する専門知識の支援と成長・イノベーションのための戦略的パートナーシップの提供を目的として、グローバルベンチャーファンド「Zendesk Ventures」を設立。対話型音声アシスタントを開発・提供する「PolyAI」、およびカスタマーフィードバックプラットフォームを開発・提供する「unitQ」へ投資支援する。
左から、Zendesk 日本法人社長の冨永 健氏、Chris Donato氏、Jason Maynard氏
2024年08月06日 17時09分 公開
2024年08月06日 17時09分 更新