アルティウスリンク、「Microsoft Copilot」による実証実験を完了し生成AIを実業務へ導入開始

アルティウスリンク(東京都新宿区、網野 孝代表取締役社長)は、米マイクロソフトが提供するAIアシスタント「Microsoft Copilot」を活用したコンタクトセンター業務の実証実験を完了、ヒトとAIのハイブリッド運用で業務効率化・品質向上を実現し、一部の実業務に導入した。

同社は、2022年よりデジタルコンタクトセンタープロジェクトを始動。「人」「デジタル」「AI」をバランス良く組み合わせたITインフラやサービスの次世代化に取り組み、注力領域の一つとして、オペレーション業務の生産性・品質向上を目的とするコンタクトセンター運用のノウハウとデジタル技術の融合によるBX(ビジネストランスフォーメーション)を掲げている。

今回の実証実験においては、メール対応のうち、とくに難易度が高く人によって品質のバラつきが出やすい業務において、生成AI活用によるオペレータ支援の可能性を運用と技術の両面で検証した。

<主たる実証実験の概要と成果>
大手ソフトウエア企業のテクニカルサポート窓口のメールオペレーション業務を対象に、Microsoft Copilotシリーズの法人向けサービス「Copilot for Microsoft 365」を活用し、約3カ月間繰り返し検証を行った。

●問い合わせ分析
概要:問い合わせ内容から「緊急度」「深刻度」「クレーム有無」「情報不足」の4項目を5段階で判定し優先度を設定、返信メール文案を作成
成果:問い合わせの前さばきを自動化することで初動工数を13%短縮。優先度の高い問い合わせから対応することで、クレームや機会損失を防止

●メール添削
概要:「業務マニュアル」に加え、アルティウスリンクで標準化された「応対品質マニュアル」を生成AIに学習させてオペレータが作成したメールを添削し、修正箇所を理由付きで明示
成果:2次チェックを自動化することで有人工数を51.4%削減。応対品質のバラつきも解消され品質向上に寄与

●CSAT(顧客満足度スコア)予測
概要:問い合わせの要旨に対して顧客満足度を事前予測して、低スコアが予測される問い合わせに対して追加フォロー案を提示
成果:事前予測の精度80%。スコア予測が低い問い合わせを事前にフォローすることで顧客満足度向上に寄与

オペレーションを熟知するプロンプトエンジニアによる設計でハルシネーションの問題を解消し、十分な効果が見込めることから実業務に導入を開始。
同社がこれまで培ってきたオペレーションノウハウを集約した「応対品質マニュアル」を生成AIに学習させることで、効率化と高水準のサービス品質を両立するとともに、オペレータの研修期間の短縮も見込んでいる。

同社では今後、「Copilot for Microsoft 365」の活用範囲を広げ、トラブルシューティングに関するメール文案の自動作成や、顧客とやりとりしたメールの完結判定など、実業務への本格的な導入に向けて実証実験を進める。また、プロンプトエンジニアの育成を強化し、Microsoft Copilotを拡張した「Microsoft Copilot Studio」の実装を視野に、多言語対応などさらなる範囲拡大に向け検証を重ねる方針だ。

2024年07月12日 15時19分 公開

2024年07月12日 15時19分 更新

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