実践編
第27回
新型コロナウイルス蔓延を経て、シニア層でもキャッシュレス決済が広がった。2023年のキャッシュレス利用の実態調査によると、他の年代と比較しても利用率が高いという結果が出ている。今回、キャッシュレス決済の中心となるクレジットカード利用について、シニアがどのように活用しているか、また、どのように利便性向上を目指すべきかなどを考察する。
長く「現金志向」が強かったシニア層にも変化がみられている。2023年に行われたキャッシュレス利用実態調査の結果が図だ。年齢層別クレジットカードの利用状況は、18〜29歳での「よく利用している」「ときどき利用している」割合は76%で他の年齢層より少なかった。この割合は、30代以上の世代はいずれも8割を超えている。この2つの選択肢が最も多いのは60代、次いで70代で、「シニアは他の年代と比較するとクレジットカードをより多く利用している」ことがわかる。シニアにとってクレジットカード利用は重要な位置づけになっており、これから高齢社会が進むなか、クレジットカードの利用が多くなることで、利用明細の確認、限度枠の増枠、支払い方法の変更などの対応に追われるコールセンターは今まで以上に業務が増加することが推測される。
会員限定2024年06月20日 00時00分 公開
2024年06月20日 00時00分 更新