セブン銀行 竹内 洋 氏

2024年6月号 <インタビュー>

竹内 洋 氏

セブン銀行
常務執行役員
竹内 洋

(Hiroshi Takeuchi)みずほ銀行、セブン-イレブン・ジャパンを経て、2002年に現セブン銀行に入社。金融口座事業でサービス開発に携わり、金融犯罪対策部、企画部等の責任者を歴任。現在ATM現金プラットフォーム関連事業を統括。

キャッシュレス時代でも高まる需要
「進化するATM」を支えるセンター発の“VOC”

セブン-イレブン・ジャパンを中心に、設置されているセブン銀行のATM。QR決済の現金チャージや情報変更手続きサービスなど、多くの機能を提供する。トラブルシューティングを担うATMコールセンターは、機器そのもののUIや使用感の向上にも大きく貢献。サポート部門を率いる竹内氏にその位置づけや戦略を聞いた。

──キャッシュレス時代が進んでいると言われるなか、現金を扱うセブン銀行のATMは設置台数を伸ばし、売り上げも右肩上がりです。市場環境をどう捉えていますか。

竹内 現在は全国に2万7000台を超えるATMを設置しています。メガバンクや地方銀行が、支店の統合およびATMの集約を進めるなかで、皆様が当社のATMを必要とされるニーズも実感しています。現金の扱い方への需要の変化にも敏感に対応し、ご要望に合ったサービスを提供しています。中でも、PayPayアプリをはじめとするQRコード決済へのチャージは多くのご利用をいただき、キャッシュレス決済のすそ野の拡大にも寄与していると考えています。

 また、訪日外国人による利用も増えています。旅行者は、かつての爆買いといったモノを買う行動から、コトの体験へとインバウンド需要が変化しています。日本の観光地には、まだ「キャッシュオンリー」の店舗や施設もそれなりにあります。ですから、現金を必要とする旅行者のニーズも捉えています。

プラットフォーマーとして
“生活インフラ”を提供する

──コンビニ同様、もはや生活インフラの一部ですね。

竹内 私たちも生活インフラという自負を持ち、お客様に安心して便利に利用いただけるサービスの提供をモットーとしています。ATMには入出金端末の枠を超えた、プラットフォームとしての役割を訴求しています。各種銀行の口座開設から、将来的には地方自治体の行政手続きも見据えたサービスプラットフォーム「+Connect(プラスコネクト)」事業も推進中です。

 今後は、被災などによりカードなどを持っていないといった不測の事態でも、顔認証によって現金が引き出せるといった新たな構想にも着手しています。

──ATMのハードウエア(筐体)は、見た目も機能も進化が著しいですね。

竹内 現在、設置されているのは第4世代です。コールセンターに集まるお客様の声(VOC)も含め、さまざまな改善を施しています。インターフォンの位置は、車椅子の方にも使いやすい場所に移動。そして曲線を多用したフォルムなどがその例です。かつては操作方法の問い合わせも多くありましたが、画面のUIを改善した結果、それも減少傾向にあります。ATMを利用いただくお客様には、初めての方も多くいらっしゃいます。「使いにくい」「問い合わせたが対応が悪かった」などの悪印象を持たれれば、次からは、利用してもらえなくなるだけでなく、セブン銀行のATMは使いにくいといったクチコミも増えます。常に利用しやすさへの追求は欠かせません。ATMコールセンターは、それを主導する重要な部門です。

 使いやすさを追求した結果、リピート利用をしてくださるお客様は増えています。第4世代ATMには、本人確認書類を認証できる「+ (plus) エリア」を搭載しています。その機能を活かしたマイナポイント事業や、マイナンバーカードと公共サービスを紐づける手続きでは、スマホだけで実施するよりも、ATMのほうが簡単という声を多くいただきました。こうした新サービスの提供や改善を、より積極的に進める方針です。

ATM以外からもVOCを収集
「X」でアクティブサポートを実践

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会員限定2024年05月20日 00時00分 公開

2024年05月20日 00時00分 更新

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