プロシード、金融業界コンタクトセンター向けセミナーを開催

プロシード

顧客体験(CX)の向上を支援する専門コンサルティング事業を展開するプロシード(本社:東京都千代田区)はこのほど都内で、金融業界におけるコンタクトセンター部門のマネジメント層を対象としたセミナーを開催した。同セミナーは年5回の開催を予定。金融機関のコンタクトセンター責任者に焦点を当て、人脈形成や情報共有を支援する。今回は、キックオフ・カンファレンスとして実施された。


プロシード代表取締役社長(現・取締役会長)の根本直樹氏

冒頭で、プロシード代表取締役社長(現・取締役会長)の根本直樹氏がセミナーの主旨を説明。コンタクトセンターのスタッフが自らの仕事に誇りを持ち、活気ある環境で働くことの重要性について訴えた。生成AIの台頭とともに、ベンダーの選定が難しくなっている状況にも言及。顧客の期待値の高まりを受け、業界全体で応対品質の向上を促進する必要性を強調した。同氏は「コンタクトセンターが担うべき役割として、夜間・休日サポートの設置や個別対応の充実といった『機能的価値の向上』と、顧客との関係構築や自社ファン層の拡大といった『感情的価値の向上』の両方を果たしていくことが求められています。実現に向けて、急速に進化するテクノロジーの活用とともに、情報収集や学習を効率的に行うための意見交換が不可欠です」と述べた。


三井住友カード執行役員の名倉真弓氏(中央)、セブン銀行バンキング統括部副部長の水越英之氏(右)

続いて、「金融機関のデジタルシフトの未来像」と題してパネルディスカッションを開催。三井住友カード 執行役員の名倉真弓氏と、セブン銀行 バンキング統括部副部長の水越英之氏が登壇した。名倉氏は、コロナ禍でもリモートワークが難しい状況で、限られたリソースでのセンター運営が求められたことや、キャッシュレス決済の普及に伴い問い合わせが急増していることを説明。Web機能を強化したうえで、センター内にもチャットやIVRでの折り返し電話予約機能の実装、ナレッジ検索システム「Alli」や音声認識システム「AmiVoice」の導入により、「応答率の向上と、オペレータが的確な回答を素早く提供できる体制を整備しました」(名倉氏)と述べた。水越氏は、センターが目指すべき指標としてテキストコミュニケーションのチャネル比率を最大限向上させる方針を説明。目標達成に向け、チャットシステムのリプレースと同時にチャットボットの管理体制をセンター内の部門に移管した取り組みを解説した。

 
SMBC日興証券東京コンタクトセンター部長の水谷美恵氏(中央)、
あいおいニッセイ同和損害保険品質管理グループ グループ長の國崎美香氏(右)

さらに、「金融機関における人材の課題と働き甲斐」というテーマでパネルディスカッションを行い、SMBC日興証券で東京コンタクトセンターの部長を務める水谷美恵氏と、あいおいニッセイ同和損害保険のコンタクトセンター事業部で品質管理グループのグループ長を務める國崎美香氏が登壇。水谷氏は、「オペレータの高齢化」と「若手・中堅オペレータの不足」を課題として挙げ、東京・沖縄の処遇格差の解消に取り組んだ経験を共有した。國崎氏は、SVのポジションを契約社員からCS専任社員へ転換するなど組織再編の取り組みや、時給・手当の見直しが働き甲斐の向上につながったことを説明。同氏は、「働き甲斐の要素は、人それぞれ。表彰制度などは、あくまでもひとつの手段です。望む働き方も、スタッフによります。あらゆる形でキャリアアップの機会を準備しておかなければ、優秀な人材の流出につながりかねません」と警鐘を鳴らした。


プロシード シニアコンサルタントの五味 康一郎氏

最後のセッションでは、プロシードが実施した市場調査結果とCS市場の直近のトレンドについて、プロシード シニアコンサルタントの五味 康一郎氏が解説した。とくにAIの活用状況に注目し、AI導入の成功事例や注意すべきポイントを説明した。

 
グループワークに臨む参加者の方々

各パネルディスカッションの後には、参加者同士が各テーマに基づいて自社の考えや方向性を意見交換するグループワークを行った。
 

2024年03月06日 19時02分 公開

2024年03月06日 19時02分 更新

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