コラム
第108回
2種類のVOC活動の考察──「モノからコト」への変換
家族の要望を聞いていたらいつのまにか家事仕事が増えてしまった、わたちゃんです。この際、料理教室にでも行きたいと思っています。
CS部門において、お客様の声、すなわちVOC(Voice of Customer)を収集して社内にフィードバックする仕事は経営貢献においても重要です。しっかりと、VOCを体系化されたカテゴリ別に収集し集計・分析したうえで各部門へのフィードバック運用を確立している企業もあり、先進的な事例は本誌で紹介されています。
そんな先進的事例を見ていると、現状のVOC活動の焦点は、販売している商品に対する不満や要望を収集し、商品開発や品揃えに反映してくことに力点が置かれているように思えます。
もちろんこのVOC活動は重要で継続していくべきですが、企業競争力の源泉はモノからコト、すなわち商品から顧客体験、CX(Customer Experience)にシフトしています。したがって、従来の商品改善へのフィードバックに加えて、顧客体験の改善にフィードバックできるような収集、分析、フィードバックするプロセスを確立しなくてはいけません。
一方で、お客様のブランド認知体験や購買体験、利用体験をカスタマージャーニーとして見える化し、改善施策につなげる活動が実践されている企業も少なくありません。そして、この活動はマーケティング部門が率先して実施しているケースが多く見られます。しかしながら、マーケティング部門が主導する場合、お客様の体験を見える化する際、次のプロセスに至った体験は何か、購買に至った動機となる体験は何かという販促施策に直結する施策の考察につなげるための見える化になりがちです。
モノからコトへのシフト、すなわちCX時代におけるカスタマージャーニーの見える化への取組みは、販促視点で購買動機を見える化するのではなく、顧客体験向上の視点で、各場面の顧客のネガティブ体験やポジティブ体験を見える化することが重要です。したがって、カスタマージャーニーへの取組み活動は従来のVOC活動を進化させた形で、CS部門が主体的に活動していくべきです。またそのベース情報となる全社的なお客様ロイヤルティや満足度調査もCS部門が主導していくべきです。
CS部門は、顧客体験をメインとしたカスタマージャーニーの見える化への取り組みをVOC活動の一環と位置づけ、従来の商品系の改善へのフィードバックに加えて、CX系の改善へのフィードバックを実施する全社の主導的役割に進化していきます。
ということで、家族の声も多方面で収集することで、家族生活の向上の主導的役割になろうとしたのですが、どうも雑用係になっている気もします。VOC活動とVOF(Voice of Family)活動は違うのかな。
2024年01月20日 01時02分 公開
2024年01月20日 01時02分 更新
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