生成AI時代のセンター長に必須 コンタクトセンター・システムの基礎知識 第4回
基礎編
第4回
チャネル最適化のためのシステム選定の要諦
ノンボイス拡大に伴う業務再配分への「備え」
店頭接客・電話応対といったアナログチャネルと、チャット、SNSなどのデジタルチャネルは、それぞれメリット・デメリットが存在するため、サービス品質を高めるには相互補完が必要だ。また、自社の顧客層に応じたチャネル最適化を行わないと、顧客満足度の低下を招きかねない。コンタクトセンター・システムにおけるチャネル最適化について、オペレータ配置の考え方と合わせて解説する。
企業が提供している顧客接点(コンタクトチャネル)に関して、コンタクトセンター・システム上で利用されている各チャネルに店頭接客を加え、それぞれの特性を整理してみた。
なお、X(旧 Twitter)はマーケティング活用を主とするため、カスタマーサービスにおける顧客接点としては対象外とした。
顧客層で決めるべき採用チャネル
どのコンタクトチャネルを重視するかは、自社の主要顧客層によって決める。たとえば、高齢者(60代以上)が主要顧客の場合は、マルチチャネルや高度なIVRに投資するより、電話してすぐにオペレータにつながる体制を整備するほうが顧客満足度は高くなる。
注文商品の返品を行う際に、注文履歴と連動したチャットボットで返品できるサービスと、電話しないと返品を受け付けてもらえないサービスでは、どちらを魅力的に感じるかは言うまでもない。利便性の高いチャネルを組み合わせたサービスを提供することも、顧客体験を高めるうえでは重要だ。
マルチチャネル化の今
チャネルを組み合わせるという意味では、オムニチャネルという言葉が語られて久しい。これはどのチャネルからの問い合わせでも、同じ顧客に対しては一貫性のあるサービスを提供し、顧客満足度を高めようという概念だ。
顧客が「チャット」で質問後、「電話」で問い合わせた場合、オペレータはチャットでの質問内容を確認しながら対応し、通話終了後に「メール」で対応内容をお知らせするといった流れである。実現するには顧客の個人情報(電話番号、メールアドレスなど)を管理するCRMシステムと、マルチチャネルでの応対履歴を参照できるコンタクトセンター・システムが必要になる。
チャネルごとの対応業務範囲を決める「チャネル最適化」にあたっては、図1で示した特性に配慮してほしい。すべてのチャネルで、すべての業務に対応しようとすると、多くのコストが発生するだけでなく、チャネルごとの応対品質がばらばらになる恐れもある。
会員限定2024年01月20日 01時11分 公開
2024年01月20日 01時11分 更新
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