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生成AI時代のセンター長に必須 コンタクトセンター・システムの基礎知識 第5回

2024年3月号 <生成AI時代のセンター長に必須 コンタクトセンター・システムの基礎知識>

稲田 徹/池田慎一/浅見和彦

基礎編

第5回最終回

実務段階で必要不可欠なポイント
「人が実施する場合」との比較検証

生成AIは業務運用に携わる実務者の創意工夫によって、さまざまな活用が可能だ。しかし、「何から着手すればよいかわからない」という現場の声が多いのも事実だ。そこで今回は、「生成AIの活用術と心構え」として業務運用面での活用方法の考え方(コツ)を説明する。さらに、今後も進化を続ける生成AIにコンタクトセンター・システムはどう向き合うべきかを述べたい。

PROFILE
SCSK クラウドサービス事業本部
コンタクトセンターサービス部
稲田 徹 池田 慎一 浅見 和彦
長年コンタクトセンターでのAI活用を担当してきた稲田と、コンタクトセンター・システム導入、高度化を先導してきた池田、浅見が共同で執筆。

 最近、当社でも生成AIを手軽に活用できることに配慮したコンタクトセンター・システム(PrimeTiaas自動要約オプション)をリリースした。それに伴い、提案の機会も増し、センター運用に携わる実務者から、「生成AIの業務上での活かし方」の相談を受けることも増えてきた。そのなかで多いのが、「どう活用すればよいのかわからない……」という悩みだ。

 セミナーや情報サイトなど、さまざまなメディアから「いろいろなことができそう」という情報は得ているものの、「具体的な(活用の)進め方は不明」という声が多い。例えば、「生成AIでFAQを自動生成する」といった情報を得て、何から着手すればよいかをすぐに思い浮かべられる人はどのくらいいるだろうか。

 このような場合、まず、人が行っていた業務を作業単位に分解し、どの部分に生成AIを適用することで効率化が図れるかを考えてみると、発想しやすい。

 図1に、「生成AIでFAQを自動生成する」際の発想を得る方法として、FAQメンテナンスを人手で実施する場合と、生成AIを使う場合の比較検証の考え方を示した。この方法を用いることにより、作業単位での効率性を測定でき、アウトプット精度も検証しやすい。かつ、生成AIだけでは補えない部分(作業)も明らかにできる。この進め方は実務者の理解も得やすく、他の業務でも同じ考え方で検証できるので、ぜひ参考にしてほしい。

図1 FAQ生成を人手で実施する場合と生成AIを使う場合の比較検証の考え方
図1 FAQ生成を人手で実施する場合と生成AIを使う場合の比較検証の考え方

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会員限定2024年02月16日 00時00分 公開

2024年02月16日 00時00分 更新

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