SHIFT PLUS
VOC(顧客の声)の収集と還流は、コールセンターの重要な役割のひとつだ。しかし、コールセンターに集まるVOCは、オペレータが入力する応対履歴がベースで、「品質のバラつきが生じやすい」「情報が構造化されていないため、分析が難しい」「一部の声と捉えられ、改善につながらない」といった理由で、活用しきれないケースが多い。「コールセンターの存在価値を高め得るデータにもかかわらず、“宝の持ち腐れ”になっている例は極めて多い」。そう指摘するのは、VOC活用を総合支援するサービス『VoiceMill』を提供するSHIFT PLUS 代表取締役社長の綿貫健吾氏だ。
綿貫氏は、大手アウトソーサーでオペレータ、SVとして、幅広い業種のコールセンターの現場を経験。その知見をベースに、VoiceMillを開発した。綿貫氏は、「VOC活用を支援することで、経営貢献を促し、コールセンターの価値向上に寄与したい」と自身の経験を振り返りながら、強い思いを示す。
VoiceMillは、ITソリューションというよりコンサルティングサービスに近く、同社のスペシャリストによってVOCの定量化・可視化とレポートの作成を行う。
「応対履歴には、主語が抜け落ちるなど、既存のテキストマイニングツールでは正確な分析が困難なデータが多く含まれます」(綿貫氏)。定量化・可視化では、クライアント企業から預かった応対履歴を、人が行間を読み解いて補完し、独自手法で「対象」「課題」「目的」の3要素に分解。分析に適した良質なVOCデータに要約している。綿貫氏は、「統計学上、データが500件~1000件あれば、ブレのない分析が可能です」と説明する。また、スペシャリスト間でのカリブレーションも随時実施するなどして、要約の品質担保にも注力している。同社調査では、スペシャリストによる要約はテキストマイニングツールの要約の2倍の正答率を記録したという。
レポートは、具体的な改善施策の提案までカバーしている。「改善につながらなければ、VOC活用は形骸化してしまうため、提案先の部門に“刺さるレポート”を作成しています」(綿貫氏)。例えば、UI/UXの改善案には、グループ会社に在籍しているUI/UXの専門家によるWeb診断を裏付けデータとして添えている。今後は、こうしたグループのリソース活用とともに、パートナーアライアンスも推進、レポートの個別最適化を図る。
このほか、定量化・可視化における生成AIの活用にも取り組んでいる。現在は、スペシャリストによる要約データを基に、アルゴリズムをチューニングし、精度向上を図っている。
2024年04月20日 00時00分 公開
2024年04月20日 00時00分 更新
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