米ジェネシス、日本市場における『Genesys Cloud CX』の導入拡大を強力推進

ジェネシスクラウドサービス(東京都港区、ポール・伊藤・リッチー社長)は、米ジェネシス 会長 兼 CEOのトニー・ベイツ氏、最高製品責任者のオリバー・ジェーヴ氏ら本社幹部陣による来日イベントを開催。CXおよびコンタクトセンターに関する最新トレンドと、同社が提供するクラウド型オールインワン・コンタクトセンター・プラットフォーム『Genesys Cloud CX』の日本市場におけるビジネスを展望した。

冒頭、ベイツ氏は、「日本は、グローバル全体において重要な市場と位置づけている」と強調。本社幹部陣の来日イベントは約4年ぶりで、コロナ禍の鎮静化から間もないタイミングでの開催も、それを裏付けている。



トニー・ベイツ氏
米ジェネシス 会長 兼 CEOのトニー・ベイツ氏


従前のコンタクトセンター運営は、コストの圧縮や業務効率化にフォーカスされがちだったが、現在は“よりよい顧客体験(CX)”の提供が強く求められていることを指摘。実際、同社が実施している消費者調査では、「31%の消費者が不愉快な体験をすると離反を検討、または離反して競合に移る」という結果が出ている。「サポートの提供にとどまらず、カスタマージャーニー全体における一貫したCXを提供できる環境が不可欠」(ベイツ氏)。

同社は、こうしたコンタクトセンターが求められる役割の変化をとらえ、「Experience as a Service」をコンセプトとして、Genesys Cloud CXを強化。AIをベースとして、「インタラクション自動化」「CX/EX(従業員体験)のオーケストレーション」の両面で機能拡充を図ってきた。また、WEM(ワークフォース・エンゲージメント・マネジメント)、データ分析もプラットフォームに包含するなど、オールインワン・プラットフォームとしての訴求力を強める投資も継続的に行っている。結果、3年半という目覚ましいペースでARR(年間経常利益)1億ドルから10億ドルへと成長。ベイツ氏は、「主要なSaaS企業を上回るスピードで指標を達成できました。これは全世界的にCX変革の時期が訪れていることを表していると言えます」と、強調した。



オリバー・ジェーヴ氏
最高製品責任者のオリバー・ジェーヴ氏


製品戦略の詳細は、オリバー・ジェーヴ氏が解説した。ジェーヴ氏は、これまでに50回以上の来日経験をもとに、「日本の市場はイノベーションに貪欲と感じています」と見解を述べ、2016年のGenesys Cloud CX提供開始以来、日本のユーザー企業向けに実施してきた機能拡充を振り返った。さらに、現行の東京リージョンに加え、2023年第4四半期にAWS大阪リージョンでサービス提供を開始することに言及。本社所在地である米国に続く2つめのマルチリージョン構成であることを強調した。「万が一の際にも、確実なフェイルオーバーが可能です」(ジェーヴ氏)。データ保全や安定性に関して、とくに強い関心を持つ日本市場においては、導入を後押しする一手となりそうだ。

AIの活用については、およそ400人の開発者を投じて機能開発に取り組んでおり、現在話題の中心となっている生成AIについても「要約」「抽出」「翻訳」「生成」の活用領域を定めて検証、ユースケースの作成を進めている。ただし、プラットフォームとしては、既存で運用しているAIモデルをインポートして利用することも可能にし、柔軟性をもたせた。

今後、直近の機能拡充(日本語対応)は、23年第4四半期にチャットでの問い合わせの回答候補をオペレータに提示するデジタル・エージェントアシストおよびナレッジ、24年第1四半期には、感情・共感分析、電話の応対内容を自動要約しCRMシステムにエクスポートする機能などを予定している。ジェーヴ氏は、「日本のユーザー企業に対して、品質、日本語化、CX改革、エコシステム形成のすべてを約束していきたい」と述べ、締めくくった。

 

2024年01月31日 18時11分 公開

2023年11月02日 14時38分 更新

おすすめ記事

その他の新着記事

  • スーパーバナー(P&Wソリューションズ)

購読のご案内

月刊コールセンタージャパン

定期購読お申込み バックナンバー購入