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2023年6月号 <特集>

ChatGPTの衝撃

特集扉

ChatGPTの衝撃

Part.1 <現在地と未来>

「AI活用の常識」を覆した
GPTがもたらす“現在の混沌”と“未来の希望”

2010年代の「第3次AIブーム」の原動力となった要素は「機械学習」であり、“食わせるデータの量と質”、そして導入側の苦労──チューニング次第でその精度が左右された。昨年秋、登場した「ChatGPT」は、これらにほとんど関係なく高いパフォーマンスを発揮。その余りの能力の高さに、国によっては利用を禁止するところが出ているほどだ。コールセンターにおける具体的な利用シーンを現在地、未来に分けて検証する。

 OpenAIが開発した「ChatGPT」は、2022年11月30日に公開後、1億人のアクティブユーザー数を記録した。企業の導入、ソリューション化するITベンダー、OpenAIに対抗する動きなどが相次いだ。

 導入企業の動き、コールセンター関連ベンダーの動き、そしてコールセンター導入の現状と今後の可能性について、専門家へのヒアリングから検証。コールセンターの現場における、ChatGPT活用方法を解説する。

 また、ケーススタディとして、JR西日本カスタマーリレーションズの「国産 AI+ChatGPT」の最新事例を掲載する。

図1 コールセンター関連ベンダーの主な動き

図1 コールセンター関連ベンダーの主な動き

※画像をクリックして拡大できます

図2 コールセンターにおけるChatGPT活用のステップ

図2 コールセンターにおけるChatGPT活用のステップ

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Casestudy:JR西日本カスタマーリレーションズ
VOCの要約に大規模言語AIを活用
「国産AI+ChatGPT」の最新事例

 

Part.2 <Professional>

専門家、学者、コンサルタントに聞く
「生成型AI」のビジネスインパクト

ChatGPTの登場は、コンタクトセンターにいかなる影響をもたらすのか。現段階ではチャットボットのような直接的な顧客対応ではなく、スクリプト、対応テンプレート作成、人材トレーニングといった「間接的なコミュニケーション支援」という見方が圧倒的に強い。日本語に特化した大規模言語AIをいち早く開発したELYZAの野口氏、CRMコンサルタントの秋山氏、住川氏、長年にわたってAIの研究を続ける森氏と松原氏に見解を聞いた。

 2015〜2016年頃、ディープラーニングの進化によって到来した第3次AIブームでは、最も早い段階で企業が活用する現場となったコールセンター。定型業務が多く、生産性向上の余地が高い、かつ人手不足にあえいでいるというAI活用の条件が揃った職場だったといえる。

 今回の生成型AIの普及は、コールセンターに何をおよぼすのか。現段階では、チャットボットのような顧客とのコミュニケーションの自動化ではなく、バックヤード業務(テンプレート作成やトレーニング支援など)への適用性が強いという見方がある。長年、AIを研究してきた専門家やCRMのコンサルタントに、その見解と予測を聞いた。

Discussion

活用は「従業員向け」からが正解?!
ベンダー、BPOはビジネスモデルの転換に備えよ

野口 竜司 氏

野口 竜司 氏
ELYZA
CMO

秋山 紀郎 氏

秋山 紀郎 氏
CXMコンサルティング
代表取締役社長

Interview

急速な普及を遂げた最大の要素は
「倫理」のフレームワーク構築にあり!

森 正弥 氏

森 正弥 氏
デロイト トーマツ コンサルティング
執行役員

住川 誠史 氏

住川 誠史 氏
デロイト トーマツ コンサルティング
執行役員

Interview

「下書き」「テンプレ」「謝罪文」
“得意領域”を見極め積極的に活用

松原 仁 氏

松原 仁 氏
東京大学情報理工学研究科
次世代知能科学研究センター 教授

 

2024年01月31日 18時11分 公開

2023年05月20日 00時00分 更新

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