BPOの“トリセツ”
Part.1 <現状と課題>
BPOには2種類ある!
受託・委託双方に問われるリテラシーの「質」
人手不足・採用難を背景に、ニーズが高まるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)活用。しかし2月、市場の盛り上がりに水を差す不正事案が発生した。BPOがセンター運営に欠かせない要素である以上、「コールセンター」の職業としての価値を高めるためにも、委託元企業がBPOベンダーとの“付き合い方“を再考する必要がある。識者/経験者、BPOベンダー、事例企業に取材、ポイントをまとめる。
コールセンターの採用事情は、企業にとって最悪の状況に近い。コロナ禍初期、他業種からの流入によって一時的に採用難が緩和されたが、その「ボーナス期間」はわずか1年程度で終了。とくに電話対応の人手不足が顕著で、業種を問わず、多くのコールセンターで「つながりにくさ」に拍車がかかっているのが現状だ。結果、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のニーズが高まっている。
しかし、市場が盛り上がる一方で、BPOベンダーによる不正事案も発覚。BPOベンダーに対する信頼性はもちろん、採用市場における「コールセンター」の価値低下を招きかねない事態だ。そこで、改めて「BPOベンダーとの付き合い方」にフォーカス、経験者、事例、BPOベンダー各社に取材、受委託の関係を見直すとともに、選定プロセス(図1)、運用のポイントを整理する。
図1 BPOベンダーの選定手順(例)
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Part.2 <ベンダーマネジメントチェックシート>
「34のチェックリスト」で自己診断
アウトソーサーとの“付き合い方”
BPOの失敗、あるいは不正行為などの「事件」を生む要因の多くは、委託元と現場のコミュニケーション不全にある。いわば「丸投げ」と「密室化」を生み出す受委託の関係性を見直す必要があるということだ。編集部では、経験者や事例、BPOベンダーへの取材から「ベンダーマネジメント34のチェックリスト」を作成。概要を説明するとともに、BPOベンダー3社のインタビューをまとめる。
BPOの活用は、「顧客視点」という観点においては内製(自社運営)よりも難易度が高い。ベンダーへの丸投げはいわゆる「ご法度」で、委託側のマネジメントスキル──ベンダーマネジメントの優劣がセンター運営の成否を大きく左右する。
過去の事例や識者・経験者への取材を通じて作成した、ベンダーマネジメントのチェックリストを図2にまとめる。6つのカテゴリー(ステップ)と34のチェック項目から構成している。セルフアセスメントの素材として利用してほしい。
さらに今回、取材に対応してくれた3社(NTTマーケティングアクトProCX/ベルシステム24/情報工房)のBPOベンダーのキーマンに「我々との付き合い方」や成功事例について聞いたインタビューも収録する。
図2 ベンダーマネジメント最適化チェックリスト
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Casestudy:バッファロー
現場とのコミュニケーションを重視
選定ポイントは「新しい取り組み」への積極性
BPO Vender Interview 1
ニーズ高まる「伴走型」の案件
“現場・営業・経営”の一体感を強化
NTTマーケティングアクトProCX
CXソリューション部 西日本営業部長
新谷 宜彦 氏
BPO Vender Interview 2
「板挟み」に苦しむ現場のSOSに応える
事例に見るBPO活用の正しいあり方
ベルシステム24
執行役員兼第2事業本部 事業本部長
平野 隆之 氏
BPO Vender Interview 3
BPOには2種類ある!
「違うレベルを求めない」ことが重要
情報工房
代表取締役社長
宮脇 一 氏
2024年01月31日 18時11分 公開
2023年04月20日 11時49分 更新