スーパーバイザーの教科書・Essential 第12回

2025年7月号 <スーパーバイザーの教科書・Essential>

寺下 薫

実践編

第12回

資料の出来次第で実施効果も変わる!
「研修テキスト作成のコツ」

コンタクトセンターでは、新人オペレータの導入研修やフォローアップ研修、既存オペレータの研修と、研修をやる機会は多くあります。その際、どう研修テキストを作るか理解しておくことはSVにとって重要です。ストーリーを考え、研修の目的とゴールを伝え、図表などを活用しながら理解を促す。研修テキスト作成にもいくつかポイントがあります。今回は、研修テキスト作成のコツについて、解説します。

PROFILE
クリエイトキャリア 代表取締役社長
寺下 薫
外資系企業を経て、ヤフーやソフトバンクで長年、人材育成に携わる。問題解決養成塾「SV研究会」を立ち上げ、若手のSVを育成。現在は独立して、コンサルティングや研修、講演、執筆などを中心に活動中。2024年6月に「スーパーバイザーの教科書」を出版。

 コンタクトセンターでは、新人オペレータの導入研修やフォローアップ研修など、研修を行う場面が多くあります。SVは、研修が実施できるだけでなく、研修テキストも作成できる必要があります。研修テキストの出来次第で、研修の効果も大きく変わってくるためです。今回は、研修テキストを作成する時のコツを10個に絞ってお伝えしたいと思います。

図 研修テキスト作成のチェックリスト
図 研修テキスト作成のチェックリスト

研修効果を引き出す10のコツ

①ストーリーは事前によく考える
 研修においては、ストーリーは大切なので、どういうストーリーで研修の流れを組み立てるかを事前によく考えておく必要があります。研修のテキストも、流れを重視して作ることです。どういう流れで説明すると、オペレータが理解し、業務に即活用できるようになるかを事前によく考えることです。

②目的とゴールを最初に示す
 研修で何を学び、どうなってもらいたいか(どう行動してもらいたいか)を明確にして、研修テキストの最初に示します。

③研修の冒頭はアイスブレイクにしておく
 最初から、いきなり研修に入ってはいけません。まずは、緊張感を緩和するための簡単なクイズなどをやると良いです。ですので、研修テキストにもそういったものを取り入れておきます。基本、1つの研修につき、アイスブレイクは1つでいいですが、アイスブレイクのネタは、いくつか用意しておくと今後の研修でも役に立ちます。

④図、表、イラストを活用する
 文章で長々と書いて説明するより、イラストや図にしたほうが分かりやすいことってありますよね。図解化する力は、訓練すれば誰でも身につけることができますので、どうやったら短時間でオペレータに理解させることができるかを考えると良いです。写真を使う際は、肖像権や著作権に気をつけましょう。安易に有名なアニメや芸能人の画像を使ってはいけません。著作権フリーの写真やイラストを使うようにするとよいです。

⑤現場や実務に結びつく具体例を入れる
 研修テキストに失敗談など載せるのはアリかもしれないですが、私はあまりやりません。それは、研修の中で話せばいいのであって、わざわざ文字にする必要はないからです。ただ、具体例は書いてあるとより理解しやすくなるので、やってあげると良いと思います。

⑥演習や問いかけを組み込む
 参加者を飽きさせない工夫が必要なので、私はよく取り入れています。クイズやケーススタディなど、参加者に考えてもらう時間を作ることです。ワークショップから気づかせることが、とても受講生の身に染みるのです。

⑦余白やメモ欄を設ける
 文字でびっしり埋まっている研修テキストをチラホラ見かけますが、よくありません。メモ欄など、参加者が気づいたことを書く欄は確保しておくことです。

⑧専門用語は噛み砕いて説明する
 コンタクトセンターでは、結構、英語や専門用語が頻繁に出てきます。「インバウンド」「アウトバウンド」「ACW」「待ち呼」「積滞」「応答率」など。初めて聞く人にも分かりやすい言葉で表現してあげると良いです。もし、どうしても書くことが必要なら、補足説明を入れておくと良いです。略語も極力使わないようにします。

⑨表現は平易に、文は短く
 長々と書くのではなく、分かりやすく、簡潔に書く必要があります。長々と書くと、主語と述語が離れてしまい、何を言っているのかが分からなくなってしまうからです。そして分かりやすさについては、中学生でも理解できる言葉で表現することです。

⑩投影用テキストと配布用テキストは分ける
 配布用テキストは、穴埋め式のテキストにします。なぜ、穴埋め式にするかというと、人は穴が空いていると、そこを埋めたくなるからです。5感のうち2感以上(書くという触覚、見るという視覚、聞くという聴覚)同時に使うと、人は脳に刷り込まれやすいからという理由もあります。

誤字脱字チェックは怠りなく

 研修テキストが作成し終わったら、ぜひとも、やってほしいことがあります。それは、誤字脱字のチェックです。誤字脱字があると、テキストの信頼度が下がってしまいますし、他に間違いがないかなと粗を探されてしまうからです。ですので、テキストができたら、誤字脱字、「てにをは」のチェック、文章に矛盾がないか、「い」抜き言葉や「ら」抜き言葉がないかなどのチェックも念入りにしておきましょう。

 以上、研修テキスト作成のコツでした。研修テキストは、コツさえつかめれば、誰でも作れるようになります。これを機に、今回説明したことを念頭に置いて、一度、ご自身のコンタクトセンターの研修テキストをチェックしてみてくださいね。

2025年06月20日 00時00分 公開

2025年06月20日 00時00分 更新

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