Zoom Communicationsの日本法人であるZVC JAPANは、『Zoom CX Summit Tokyo 2025』を開催。「AI時代のCX進化」をテーマに、セミナーおよび展示を通じてCXトレンドや国内外の事例、最新ソリューションを紹介した。
ZVC JAPAN 代表取締役会長兼社長の下垣典弘氏は、「人と人のつながりを支える基盤として進化し続けているZoom CX プラットフォームによる最新の顧客体験をお見せします」と強調。MLBにおけるコンタクトセンターソリューション『Zoom Contact Center』活用に加え、国内の先進事例としてLIXILのオンラインショールームへの活用、NECネッツエスアイによるNECグループ従業員11万人を対象とするクラウドPBX『Zoom Phone』のシステム環境構築事例を紹介した。また、Zoom Contact Center、Zoom Phoneにおいて、トールフリー(0120/0800番号)の提供開始を発表し、国内市場への浸透を加速させる姿勢をのぞかせた。
キーノートは、Zoom Communications Head of CX Sales & GTM,Asia-Pacific & Japan ルーカス・キャルサーズ氏が登壇し、「CXの現状」「Zoom CXプラットフォームのデモ」「CXの未来」の3つのテーマについて解説した。CXの現状では、キャルサーズ氏の保険会社への問い合わせでの実体験を基に、現状課題を提示。「顧客の63%は1~2回の悪い顧客体験によって離反する」というリスクを踏まえた顧客体験の設計の重要性を指摘した。
Zoom CXプラットフォームのデモでは、2022年の提供開始以来のアップデートや機能拡充を振り返った。キャルサーズ氏は、「2025年現在、AIファーストのCXプラットフォームに進化しました。AIを活用することで、オペレータ、SV、CXリーダー(マネジメント層) が抱える課題を解決し、CX/EX向上に寄与したい」と強調した。デモンストレーションは、国内で利用可能な機能を用いて、「自己解決支援」「オペレータ支援」「SV・品質管理支援」「オムニチャネル」「SV支援」の5つのケースを想定して実施した。
CXの未来では、推論に基づいて自律的にアクションを実行できるエージェント型AIをプラットフォーム全体に展開していくことを示唆した。最後に、自身のデジタルツインをプロジェクタに投影して翻訳機能を用いて日本語で話させるデモンストレーションを披露し、未来の顧客体験の可能性を提示した。
後に続くセッションでは、Zoom Phoneの導入ユーザーとして、さくらインターネットが登壇。コロナ禍終息後もカスタマーサポートにおけるリモートワーク(在宅業務)を継続している同社は、場所やデバイスにとらわれない働き方を実現するためのクラウド基盤としてZoom Phoneを選んだ。
決め手となったのは、シンプルなインタフェースや運用の柔軟性、コスト感と導入スピードがニーズに合致した点だ。音声基盤のクラウドシフトにおける課題の1つである音声品質については、PoC(概念実証)で高い品質であることを確認。実運用でも維持できている。クラウド事業本部 カスタマーリライアビリティ部 部長の大西圭一氏は、「音声品質が安定したことで、オペレータは応対に集中できるようになり、対応時間の短縮による応答率の改善および応対品質向上につながっています」と説明する。運用面においても、音声品質低下時のトラブル切り分けが容易になった ことで、対応工数の大幅削減にも寄与しているという。
このほか、「実演! AIファーストのコンタクトセンター構築と運用」と題したZoom Contact Centerのデモンストレーションが行われるなど、さまざまなアプローチでCX向上のヒントが提示された。
2025年04月23日 13時00分 公開
2025年04月23日 13時00分 更新