アニモ
音声認識技術を活用し、応対品質の評価・指導、VOC分析を自動化するコンタクトセンターが増えている。
しかし、この仕組みを実現するには、音声認識と複数のITソリューションを連携する必要がある。
アニモは、従来のビジネス領域である「通話録音」「音声分析」と、新たに独自開発した「クラウドPBX」「自動応答」を一気通貫で提供するパッケージサービス『ANIMO CC Suite』の提供を開始した。代表取締役社長の田中慎一氏は、「約30年培ってきた音声技術をベースに、電話音声の“入り口(インプット)”から“出口(アウトプット)”までをオールインワンで提供することで、導入期間・コストの最適化とアウトプットの品質維持を図りました」と強調する。
とくにアウトプットの品質は、音声技術・解析に特化したベンダーとして妥協しない姿勢を貫いている。音声認識精度に関わる「通話音声の品質」、評価・分析など利活用する際に必要な「呼情報」といったPBX領域の要素を最大限生かし、評価精度を追求する。田中氏は、「用途ごとに、最適な品質、データを受け渡すタイミング、付加すべき情報は異なります」と指摘。同社が、クラウドPBX・自動応答ともに自社開発に踏み切った理由はそこにある。通話音声データを“最適な姿”で連携ソリューションに渡すことで、評価や分析の精度向上を図ったという。
応対品質の評価やコール内容の分析は、ソリューションを導入するだけで思い通りのアウトプットが出せるという単純なものではない。このため同社では、導入前のサポートを徹底している。たとえば、応対評価に活用して指導・育成の効率化を図る場合、まず「よい通話」とは何か、という定義をもとに評価項目を検討する。定義においては、会話内容だけでなく、声の大きさや話速、リズム、抑揚といった音声に含まれる言語以外の情報(パラ言語)や感情も含めた解析をもとに、アドバイスを行っている。「目指す応対品質を明確にしたうえで、人が評価すべき項目と自動評価する項目の数や重みづけのバランスをとって評価シートを完成させます」(田中氏)。
このほか、カスタマーハラスメント対策ソリューションの開発も進めている。電話応対における会話の内容、パラ言語情報を解析し、オペレータが心理的圧迫を感じる通話を自動検知。早期に第三者の介入、あるいは顧客側への警告の発報につなげる。田中氏は、「オペレータを守ることで離職を抑制し、さまざまな課題の根源となっている人手不足の解消を支援したい」と、展望を語った。コールセンターだけでなく、店舗などの対面接点にも展開し、広く浸透を図る方針。
会員限定2024年11月20日 00時00分 公開
2024年11月20日 00時00分 更新