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“最良のCX”を提示し続ける! 『CTstage』の全方位戦略

OKI

コンタクトセンターシステム『CTstage』シリーズを提供するOKI。クラウドシフトの進展でクラウド専業ベンダーが躍進を遂げるなか、どのような戦略で拡販を図るのか。主管するコンポーネントプロダクツ事業部の井上 崇氏、山本高広氏、笹岡 覚氏の3氏に聞いた。

 

OKI様写真
写真左から、執行役員兼コンポーネントプロダクツ事業部長の井上 崇氏、コンポーネントプロダクツ事業部IoT統括部長の笹岡 覚氏、

コンポーネントプロダクツ事業部副事業部長兼事業企画部長の山本 高広氏



──コンタクトセンターシステムのリプレース時に必ずと言っていいほど「クラウド」の提案を求められるようになりました。『CTstage』の導入検討時も同様の傾向ですか。
笹岡
 確かにその傾向は強いですが、(企業の)経営層からの「クラウドも検討せよ」というトップダウンもありますが、現場では「カスタマイズなどで業務に合わせた柔軟な対応が可能なオンプレミスシステムを使いたい」と考えているケースも少なくありません。とくに大規模のセンターではその傾向が顕著で、最終的にオンプレミスでのシステム更改を選択することもあります。
──必ずしもクラウドシフトが最良の選択ではないのですね。
笹岡
 クラウドサービスを利用する場合、業務プロセスをシステムに合わせる「Fit to Standard」の考え方が前提になるのですが、日本のコンタクトセンターはその反対で、業務プロセスに合わせてカスタマイズ開発したシステムを運用しているケースが多くを占めます。既存システムのカスタマイズや蓄積したデータといった資産を生かして一定の業務効率を担保したい場合は、オンプレミスシステムが適していると言えます。そういう意味では、クラウド専業ベンダーが大半を占めるなか、CTstageはオンプレミス、クラウドの両方に対応できることが強みになっています。

 

多様なCX向上を可能にする
製品・業務アプリとの連携

──CTstageの最新モデル『CTstage 7DX/Cloud』のビジネス戦略を教えてください。
井上
 CTstageを主管するコンポーネントプロダクツ事業部では、PBXやビジネスフォンといったビジネスコミュニケーション領域に加え、プリンタやエッジデバイス領域も担当しています。これらハードウエア製品や業務アプリケーションとの連携を進める方針です。
──具体的にはどのような連携をお考えですか。
山本
 すでに2022年にCTstage 7DXとラベルプリンターを連携し、顧客エンゲージメント向上を実現しています。具体的には、顧客情報や製品情報(シリアルナンバーなど)を付加したQRコードを記載したラベルを商品に貼り付けていただくことで効果を発揮します。購入者であるエンドユーザーはQRコードを読み込むだけでLINEなどのチャットチャネルから問い合わせができ、コンタクトセンターは問い合わせを受けると同時に顧客情報と製品情報を特定することで問題解決の迅速化が図れます。現在は、CX(カスタマーエクスペリエンス)の追求を最優先課題とするセンターが増えているなか、「エフォートレス」を1つのテーマとしてさまざまな連携の可能性を探っているところです。

 

CXの“一丁目一番地”
「待たせない」の実現

──CTstage側ではどのようなCX向上支援策をお考えでしょうか。
笹岡
 まず、CXの“一丁目一番地”である「待たせない」の実現をチャネル拡大、オペレータ支援の両面で推進します。「いかに最短で適切なオペレータにつなぐか」、チャネル拡大については、お客様の声(VOC)をもとにACD、IVRなどの音声系技術をベースにした音声チャネルに加え、通話録音、音声テキスト化、AIソリューションのベンダーと連携していく方針です。オペレータ支援についても、生成AIを活用した回答提示や応対テキスト化・要約など、応対の負荷を削減する機能を検討中です。これらの連携については、引き続きVOCをもとに協業先を検討し、変化のスピードの速いCX向上ニーズに連続的かつ迅速に対応していきたいと考えています。
──どのようにしてVOCを収集しているのですか。
井上
 グループの保守・運用サポートを担うOKIクロステック、『CTstageユーザー会(以下ユーザー会)』が直接声を吸い上げる場として、大きな役割を果たしています。OKIクロステックは、全国約180拠点の保守対応において課題やニーズを収集・フィードバックする役割を果たしています。また、CTstageの社内ユーザーでもあるため、緊密に連携してシステム開発・改善に生かしています。ユーザー会は、CTstageを “使いこなして業務を改善したい”という熱量の高い企業が主体となって運営しているため、VOC収集の場であるとともに、カスタマーサクセスを促進するコミュニティとしても機能しています。
──社内にもカスタマーサクセス組織としてCSセンターを設立されたそうですね。
笹岡
 営業、SE(システムエンジニア)、カスタマーサポートの各部門が連携して、組織的に接点を持ち、困りごとを解決する提案をしていく──これは、オンプレミスシステム主流の時代から変わることはありません。もともと実践していたことを組織というカタチにすることで、本格化させる狙いです。

2024年08月23日 15時00分 公開

2024年08月23日 15時00分 更新

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