コラム
第148回
HDI-Japanは毎年、フィリピンのサポートセンター視察ツアーを開催しています。今年は米国の大手銀行のセンターや大手BPO企業など、さまざまな業態のセンターを見てきました。フィリピンは国民の平均年齢が25歳以下。IT業界やBPO、BPM業界は出稼ぎ労働に次いでGDPに貢献している産業であり、大学卒業者にとって最も人気がある業種です。
欧米と同様に、転職によりキャリアアップする思考が定着しているので、離職対策が重要とされています。対策の一つが、従業員満足度の向上です。センター内のフードコートには人気のレストランを複数入れ、スポーツジムやクリニック、ゲームルームなどを設置したり、徹底的に魅力的なファシリティを構築することで、従業員の企業に対するロイヤルティを醸成し定着率の向上に結び付けています。例えば、机の高さが電動で昇降し、サポート担当者が座った状態でも立ったままでも業務ができるオフィス環境などは、まだ日本のセンターではほとんど見かけません。また、キャリアアップのロードマップを明確に示すことで、将来への希望を持たせることも重視しています。それでも、数年で辞めていく人が多数いるので、ナレッジや教育を充実させるなど、新人が短期間で対応が可能となるサポートを充実させています。日本でも採用難や離職率の高さに悩んでいる企業が多いですが、参考になるのではないでしょうか。
会員限定2024年07月20日 00時00分 公開
2024年07月20日 00時00分 更新