富士通は、東洋大学(東京都文京区、矢口悦子学長)と共同で「カスタマーハラスメント体験AIツール」を開発した。
図1 カスタマーハラスメント体験AIツール
同ツールは、犯罪心理学の知見を活用したカスタマーハラスメント(以下カスハラ)疑似体験機能とナラティブフィードバック機能で構成されている(図1)。カスハラ疑似体験機能は、カスハラで共通する会話パターンをAIトレーナーが臨場感のある音声で再現。生成AIの活用により、トレーニングを受ける従業員の受け答えに応じて、柔軟に会話を進められる。
図2 ナラティブフィードバック機能の詳細イメージ
ナラティブフィードバック機能(図2)は、疑似体験した会話の内容やバイタルデータをもとに、「不安になりやすい」など個人の心理特性を推定。その特性に合わせて、犯罪心理学の知見をもとに「顧客の不満を復唱する」といった推奨行動をフィードバックする。さらに、生成AIの活用によってフィードバックを行うアバターや声のトーン、言葉遣い、フィードバックの文章の長さなどを自動でパーソナライズして生成することで、従業員1人ひとりの納得度を高め、カスハラ応対スキルの定着を促す。
今後、同社はコールセンターなどを対象に同ツールの検証を進める。また、営業や人事といった企業の人材育成の領域においても本技術の有効性を幅広く検証していく方針。
2024年06月07日 17時00分 公開
2024年06月07日 17時00分 更新