電話放送局

コンタクトセンターの人材確保は厳しさを増す一方で、現場は多忙を極めており、FAQやマニュアルといったナレッジ整備が後手に回りがちだ。結果、応対品質のバラつきが生まれ、新人教育や品質管理の難度を一段と高めている。
電話放送局は、この課題を解決するアプローチの1つとして、自動音声応答『DHK CANVAS エージェントプラン(以下エージェントプラン)』を展開する。取締役CTOの稲田修也氏は、「オペレータを定型的な応対から解放するとともに、ナレッジの充実を図るもの」と強調する。
エージェントプランは、同社がIVRシステムベンダーとして長年培ってきた電話・回線・コールフローの知見と、2025年7月の買収で親会社となったGROWTH VERSEが持つAI開発力を融合して開発した。顧客の発話からAIが問い合わせの意図を理解し、企業内のナレッジを参照しながら回答することが可能。回答できなかった問い合わせは、データとして蓄積・分析し、追加すべきQ&Aの自動提案を行う。
同社は、導入後に、人が担うのは、AIの提案を受けて、「反映するかどうか」を判断することとしている。人が最終判断を担う設計により、信頼性を担保したうえでナレッジ整備にかかる業務負荷を軽減。従来よりも高頻度にナレッジの更新サイクルを回すことで、問い合わせ実態に即したコンテンツを整備可能だ。さらに、ナレッジの充実は、自動応答の範囲拡大と精度向上に寄与するとともに、新人も含む有人応対の品質平準化にもつながる。
現在、ナレッジ整備の次の段階として取り組んでいるのは、ベテランの経験則に基づいた応対ノウハウなどの「暗黙知」の形式知化だ。「暗黙知は、マニュアルには書き切れない、現場で成果を出すための判断基準や勘所。いわば応対品質を高める資産です」(稲田氏)。録音データを基に、暗黙知化しがちな応対話法やコールフローをAIが整理・生成する機能の拡充を進めている。
DHKクラウドサービスのフラッグシップとしてエージェントプランを展開し、営業担当者とエンジニアの二人一組で、拡販を図っている。この営業体制について、稲田氏は、「実用に耐えうる品質を実現し、成果につなげるために必要不可欠」と語る。
具体的には、商談にエンジニアが同席し、個社ごとの応対や業務フローを理解したうえで、デモンストレーションに対する現場の反応──とくに「実際の顧客はこのようには話さない」といった応対の違和感を直接把握し、AIのチューニングに反映していくという伴走体制を徹底している。
会員限定2026年06月20日 00時00分 公開
2026年06月20日 00時00分 更新
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