コラム
第35回
飛行機には、ビジネスで時間との勝負をしている方、家族旅行に胸を弾ませている方、あるいは不安を抱えながら初めての海外へ向かわれる方など、さまざまな背景を持つお客様が乗り合わせています。客室乗務員(CA)がクレーム対応に難しさを感じるのは、まさにこの「多様性」が機内という限られた空間に凝縮されているためです。
クレームの内容は、座席の不具合、搭載数に限りがあり希望する機内食が食べられない、周囲の乗客とのトラブルなど多岐にわたります。どれもお客様にとっては“旅の質”を左右する重大な問題であり、まずはその感情に寄り添う姿勢が欠かせません。「ご不便をおかけして申し訳ございません」と丁寧にお伝えするだけで、お客様の表情が和らぐことは少なくありません。人は、自分の不満が理解され、尊重されていると感じた瞬間に、対話の扉を開いてくださいます。
とはいえ、理不尽とも思えるクレームに直面することもあります。そのようなとき、CAは立
会員限定2026年03月20日 00時00分 公開
2026年03月20日 00時00分 更新