座談会 <ソリューション/サービス分科会>
AIエージェントには、「何を」「どこまで」任せるべきか。「コールセンター/CRM デモ&コンファレンス2025 in東京」で実施された5年後のコンタクトセンター研究会・ソリューション/サービス分科会の活動報告では、「AIエージェント」の定義や適用範囲が示された。
<出席者>(順不同)
<モデレータ>
秋山 2025年は「AIエージェント元年」と呼ばれ、コンタクトセンター市場においても必ず耳にするようになった一方、言葉だけが先行している感が否めません。ソリューション/サービス分科会のメンバーであるITベンダー3社とともに、AIエージェントに「何をどこまで任せるのが最適か」を議論していきたいと思います。まずは自己紹介をお願いします。
小田 カスタマーサポートに特化したAI SaaSの開発・提供をしているカラクリのCEOを務めています。AI活用において重要なデータを中核にソリューションを展開しています。
大島 CRMシステムとFAQシステムを中核にコンタクトセンターソリューションを開発・提供しているテクマトリックスで、主に自動化やナレッジ活用、VOC活用領域に取り組んでいます。
森脇 日本だと通話録音でおなじみかもしれませんが、グローバルではAIのリーダー企業の1社であるベリントシステムズジャパンで、業界20年以上の知見を生かした提案や取り組みをしています。
秋山 三者三様の視点での議論が期待できそうですね。まずは、AIエージェントの定義から考えていきたいと思います。「AIエージェント元年」と言われつつも、定義は乱立している状況のため、分科会では「人工知能(AI)を活用し、顧客とのコミュニケーションやオペレータ業務を自律的にサポートすることができる存在」と定義しました。ただし、定義のみでは抽象度が高いため、「自律とは何か」「チャットボットはAIエージェントか」のような具体的な問いと答えも合わせて検討しました。皆さんはどう捉えていますか。
森脇 自律を「自分で判断して行動する」と捉えて、従来のコールセンター業務にあてはめて考えると、矛盾をはらんでいると常々思っていました。実際、海外では「自律または半自律」という言い方をしています。AIエージェントとしての要件は満たしつつ、「業務の枠を超えないように抑えられた特定用途のアプリケーション」として捉えています。そのうえで、複数のAIエージェントが稼働して、一連の業務を実行する。例えば、旅行計画なら「情報収集」「可視化して計画をまとめる」というタスクをそれぞれ別のAIが判断して稼働し、結果として「計画表」が出てくるような感じです。
大島 生成AIとの違いから考えてみました。生成AIは、入力に対して答えるのは得意ですが、それ以上はあまり答えない。質問が曖昧だと曖昧な答えしか返ってきません。一方、AIエージェントは、曖昧な部分を明確にするための追加質問をして、正しい回答に近づける。そのあたりが「自律」であり、生成AIとの違いかなと思います。ただし、任せすぎるとハルシネーションなどのリスクにつながるので、自律の範囲は企業がコントロールする必要があると考えています。
秋山 小田さんはまさにこの技術の最前線で開発をされていますが、どうお考えですか。
会員限定2026年01月20日 00時00分 公開
2026年01月20日 00時00分 更新