ソリューション/サービス分科会

2026年2月号 <Discussion/座談会>

座談会 <ソリューション/サービス分科会>

「何を」「どこまで」任せる?
コンタクトセンター×AIエージェント

AIエージェントには、「何を」「どこまで」任せるべきか。「コールセンター/CRM デモ&コンファレンス2025 in東京」で実施された5年後のコンタクトセンター研究会・ソリューション/サービス分科会の活動報告では、「AIエージェント」の定義や適用範囲が示された。

<出席者>(順不同)

小田 志門 氏
小田 志門
カラクリ
代表取締役CEO
1980年京都府生まれ。2003年から、イー・ガーディアン株式会社(東証一部)の創業メンバー(取締役)として、SNS監視・コンタクトセンター事業の立ち上げに従事。2017年から『カスタマーサポートをエンパワーメントする』というためのAIソリューションのKARAKURI Digital CS seriesの開発・提供を開始。
大島 浩 氏
大島 浩
テクマトリックス
CRMソリューション事業部 CRMソリューション推進部
シニアストラテジスト
前職でCTI/PBX事業に携わり、テクマトリックスではCRM・FAQ・デジタルコミュニケーション・生成AI関連のソリューション推進・サービス企画を担当。コンタクトセンター業界に在籍して29年目。コンタクトセンターの業務効率化とCX向上の両立・ベストプラクティスの構築をテーマに、日々取り組んでいる。
森脇 健 氏
森脇 健
ベリントシステムズジャパン
エバンジェリスト/プリセールス/ソリューションコンサルタント
IVR/音声/AIソリューションの企画・営業・開発で20年以上の経験をもつ。国内初の通話音声認識・リアルタイムFAQ連携、要約ソリューションをはじめAI音声対話・画像AI、ボイスボット等を手掛ける。現在ベリントシステムズジャパンでエバンジェリスト兼プリセールスとして活動中。

<モデレータ>

秋山 紀郎 氏
秋山 紀郎
CXMコンサルティング
代表取締役社長
顧客中心主義経営の実践を支援するコンサルティング会社の代表。コンタクトセンターの領域でも、戦略、組織、IT、業務、教育など幅広い範囲でコンサルティングサービスおよびソリューションを提供している。5年後のコンタクトセンター研究会 ソリューション/サービス分科会のリーダーを務めている。

秋山 2025年は「AIエージェント元年」と呼ばれ、コンタクトセンター市場においても必ず耳にするようになった一方、言葉だけが先行している感が否めません。ソリューション/サービス分科会のメンバーであるITベンダー3社とともに、AIエージェントに「何をどこまで任せるのが最適か」を議論していきたいと思います。まずは自己紹介をお願いします。

小田 カスタマーサポートに特化したAI SaaSの開発・提供をしているカラクリのCEOを務めています。AI活用において重要なデータを中核にソリューションを展開しています。

大島 CRMシステムとFAQシステムを中核にコンタクトセンターソリューションを開発・提供しているテクマトリックスで、主に自動化やナレッジ活用、VOC活用領域に取り組んでいます。

森脇 日本だと通話録音でおなじみかもしれませんが、グローバルではAIのリーダー企業の1社であるベリントシステムズジャパンで、業界20年以上の知見を生かした提案や取り組みをしています。

「自律=総合職」ではない
「専門職」として見極める

秋山 三者三様の視点での議論が期待できそうですね。まずは、AIエージェントの定義から考えていきたいと思います。「AIエージェント元年」と言われつつも、定義は乱立している状況のため、分科会では「人工知能(AI)を活用し、顧客とのコミュニケーションやオペレータ業務を自律的にサポートすることができる存在」と定義しました。ただし、定義のみでは抽象度が高いため、「自律とは何か」「チャットボットはAIエージェントか」のような具体的な問いと答えも合わせて検討しました。皆さんはどう捉えていますか。

森脇 自律を「自分で判断して行動する」と捉えて、従来のコールセンター業務にあてはめて考えると、矛盾をはらんでいると常々思っていました。実際、海外では「自律または半自律」という言い方をしています。AIエージェントとしての要件は満たしつつ、「業務の枠を超えないように抑えられた特定用途のアプリケーション」として捉えています。そのうえで、複数のAIエージェントが稼働して、一連の業務を実行する。例えば、旅行計画なら「情報収集」「可視化して計画をまとめる」というタスクをそれぞれ別のAIが判断して稼働し、結果として「計画表」が出てくるような感じです。

大島 生成AIとの違いから考えてみました。生成AIは、入力に対して答えるのは得意ですが、それ以上はあまり答えない。質問が曖昧だと曖昧な答えしか返ってきません。一方、AIエージェントは、曖昧な部分を明確にするための追加質問をして、正しい回答に近づける。そのあたりが「自律」であり、生成AIとの違いかなと思います。ただし、任せすぎるとハルシネーションなどのリスクにつながるので、自律の範囲は企業がコントロールする必要があると考えています。

秋山 小田さんはまさにこの技術の最前線で開発をされていますが、どうお考えですか。

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会員限定2026年01月20日 00時00分 公開

2026年01月20日 00時00分 更新

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