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シスコシステムズ、「Webex One Japan」で最新機能や事例を発表

シスコシステムズ(東京都港区、濱田義之代表執行役員社長)は、イベント「Webex One Japan」を開催した。同イベントは、従業員体験(EX)および顧客体験(CX)向上を支援するコラボレーションアーキテクチャ事業のフラッグシップイベントの日本版。「AIで加速するコラボレーションとCX」をテーマに、セッションとデモンストレーションが行われた。

 

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シスコシステムズ 代表執行役員社長の濱田義之氏

 

オープニング基調講演の冒頭、濱田氏は「設立40年という第二創業期を迎えた現在、AI、AI活用において欠かせないネットワーク、セキュリティ、データを1つのプラットフォームで提供することで、企業の変革を支援したい」と強調。同事業の注力領域として、「AI対応データセンター」「未来を見据えたワークプレイス」「デジタルレジリエンス」の3つの柱を挙げた。続いて、執行役員 コラボレーションアーキテクチャ事業担当の粟津健太氏が、最も強調したいソリューションとしてCCaaS(Contact Center as a Service)『Webex Contact Center』を挙げ、構成する機能を紹介。AIを活用してオペレータあるいはSV業務を支援する機能を実装していく方針を示した。

 

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シスコシステムズ 執行役員 コラボレーションアーキテクチャ事業担当の粟津健太氏

 

 

「ますます広がるWebexのAI活用とそれを支える信頼あるプラットフォーム」と題したセッションでは、Webex Contact Centerの基盤である『Webexプラットフォーム』の最新情報を共有した。コラボレーションアーキテクチャ事業 シニア SE マネージャーの高田和夫氏は、米国で行われた同イベントのAIアップデートを解説。1年で30以上のAI機能が実装されていることを明かしたうえで、「目的に応じたAIで、すべての人をサポートできる基盤を目指しています」と説明した。目的に応じたAIの代表例として、ネットワーク品質が低下した際に自動で音声復元処理を行うWebex AI Codecなどを挙げて解説。さらに、2025年第1四半期に、対話型インテリジェンス(自動応答)「Webex AI Agent」および専用デザイナーツール「Webex AI Agent Studio」をWebex Contact Centerの追加オプションとして実装することを発表した。このほか、リアルタイムの通話要約機能を2025年中に実装予定という。

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シスコシステムズ コラボレーションアーキテクチャ事業 シニア SE マネージャーの高田和夫氏

 

Webex Contact Center、Webex Callingの導入事例も発表された。シスコシステムズ コラボレーションアーキテクチャ事業 CX営業部部長の柳原照憲氏の進行で、集英社の問い合わせ窓口への導入の経緯を説明。小学館、集英社を中核とする一ツ橋グループのSI企業である数理計画で、今回の導入を担当したシステム計画第一部 副技幹の村田吉徳氏は、「出版済みの書籍や雑誌に記載されている電話番号の継続利用や、編集部への速やかな情報連携、運用の負担軽減の3点を業務要件として選定しました」と述べる。具体的には、オフィス電話として採用された『Microsoft Teams Phone』、CRMシステム『Microsoft Dynamics 365』との連携や、細かな要望に応える機能をカバーするオールインワン・システムである点が決め手となった。PoCの結果、オペレータの利便性から問い合わせ窓口に関しては、電話システムはTeams PhoneではなくWebex Callingを採用。障害対策としてWebex Contact CenterとWebex Callingを組み合わせることで相互補完できる構成をとるなど、運用の工夫についても触れた。 

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数理計画 システム計画第一部 副技幹の村田吉徳氏

 

柳原氏とベリントシステムズジャパン代表取締役社長の古賀 剛氏によるセッション「シスコと Verint で創造する CX オートメーション」では、両社の得意領域を組み合わせた連携ソリューションの可能性が探られた。ベリントシステムズジャパンは、通話の最適化、通話後の最適化、コンタクトセンター最適化、オペレータ支援などに分類される47の業務アプリケーションと40のボットでポートフォリオを構成しており、企業のCX向上を支援している。一例として、AI活用のデモンストレーションを披露。リアルタイムの音声分析とともに、蓄積された通話データに対して「昨日の最も多い問い合わせは何? 原因は何?」といった自然言語の質問に応じて、集計グラフと解説文を出すことが可能なことを示した。「これまで手作業で実施していた“レポート”という言葉がなくなると考えています」(古賀氏)。さらに、プラットフォームのオープン性を特徴として挙げ、シスコシステムズのソリューションとの親和性の高さに言及。スコシステムズの柳原氏は、「得意なところを組み合わせて、歩んでいければと思っています。具体的な組み合わせは春以降の発表を予定しています」と述べ、セッションを締めくくった。

 

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左から、シスコシステムズ コラボレーションアーキテクチャ事業 CX営業部部長の柳原照憲氏、
ベリントシステムズジャパン代表取締役社長の古賀 剛氏

 

展示会場内には、CPaaS(Communication Platform as a Service)『Webex Connect』を活用したコーヒーの注文体験コーナーが設置されるなど、企業と顧客、あるいは従業員同士のコミュニケーションの新たなカタチが示された。

2024年12月24日 13時00分 公開

2024年12月24日 13時00分 更新

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