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GensparkとTwilioが挑む先進サービス とはーー「マシンカスタマー時代のカスタマーエクスペリエンス」

エージェンティックAIの先進事例

生成AIプラットフォーマーには、OpenAI(ChatGPT)やGoogle(Gemini)、Anthropic(Claude)といったLLMを提供するモデル事業者と、それらモデルを選択、あるいは組み合わせて利用できる「環境」「機能」を提供する事業者が存在する。後者の代表格が、Genspark(ジェンスパーク)だ。もともとリサーチとそれに基づく資料作成に強みを持つAIツールとして登場したが、最近は大幅に機能拡張しており、「AIエージェントプラットフォーム」として市場に認知されつつある。
同社のスタッフ・エンジニアであるグレッグ・サン氏は、「AIは指数関数的なスピードで進化しています。結果、使いこなせる人と取り残されていく人に二分するリスクがあるのは否定できません」と指摘。そのうえで、「エンジニアなどではない、大多数のナレッジワーカーはAIの進化を追いかけることが仕事ではありません。Gensparkは、そういった方々に誰でもAIを使いやすくする“翻訳者”として位置づけたいと考えています」と説明する。

Gensparkのスタッフ・エンジニア、グレッグ・サン氏
Gensparkのスタッフ・エンジニア、グレッグ・サン氏
Twilio Japanのシニア・プリセールス・アーキテクトの中村光晴氏
Twilio Japanのシニア・プリセールス・アーキテクトの中村光晴氏

顧客接点の常識を変えるAIエージェント
「Call for Me」を提供開始

現在、グローバルで約5000社が導入し、うち約半数が日本というほど、国内のビジネス環境に浸透しつつある。最も活用されているのは「検索からの資料作成」で、高精度のプレゼンテーションを容易に作成できる模様をTVCMなどでも展開、この機能のイメージが極めて強い。
しかし、Gensparkの入出力はテキストだけではない。音声(電話)もカバーしている。「通話代行(Call for Me)」というAIエージェントは、「レストランなどの予約といった日常の個人的な用件から、カスタマーサービス対応のようなビジネス上の業務まで、電話によるタスクをエンドツーエンドで完了できるエージェント」(サン氏)である。
これはユーザーがAIに依頼内容を伝えると、AIが実際に電話をかけ、予約、問い合わせ、確認といったタスクを実行する機能だ。単に音声入力でAIに指示する仕組みではなく、AIが相手先と会話し、必要な情報を聞き出し、タスク完了後にユーザーへ結果を返す。このサービスの基盤システムとして稼働しているのが、Twilioの「Twilio Programmable Voice」だ。

グローバル対応、信頼性、スピード感
Twilioを採用した「3つの理由」

GensparkがTwilioを採用した第一の理由は、「グローバル展開」 に対応できる点だ。「通話代行(Call for Me)」は、40カ国以上で同時に展開している。電話を使うサービスを多国展開する場合、各国で電話番号を取得、通信事業者と接続し、さらにさまざまな現地独自の規制に対応しなければならない。これを国ごとに個別対応すれば、開発・運用の負荷は急激に膨らむ。サン氏は、「Twilioのプラットフォームを利用することで、APIを通じて必要な通話機能を迅速に実装できた」としている。
さらに信頼性も高く評価された。もともと、電話というコミュニケーション手段は、「つながる」ことが当たり前で、失敗への許容度は企業/消費者ともに低い。Twilio Japanのシニア・プリセールス・アーキテクト、中村光晴氏も、「まずは『落ちない』ということは最重要なポイント」と強調する。
もちろんAIがかける電話といえども、レストラン予約などの際、通話が切断されたりサービスが停止しているという事態はそれだけで「二度と使われなくなる」ほどのネガティブな顧客体験となり得る。「通話代行(Call for Me)」は極めて高い成功率を維持し、かつ音声品質も高いと評価されている。
そして、最後の評価ポイントが「開発のスピード」だ。AIプラットフォーマーの機能開発やローンチまでの速度は、一般的に極めて早い。Gensparkも同様で、「我々の開発速度に合わせてAPIを柔軟に活用でき、ローンチまでの足かせになることもない」(サン氏)という。
コンタクトセンターやCS部門でのAI活用は、モデル(LLM)の性能だけで優劣は決まらない。既存のあらゆるソリューションとの迅速な接続性が大きなポイントで、その点でもTwilioのソリューションは大きな強みを発揮していると言えそうだ。

必ず到来する近未来
「マシンカスタマー時代」の先進事例

現段階では、「AI(ロボット)からかかってくる電話」に抵抗感を示す業種もまだ多い。例えば飲食店では、「AIによる電話での予約」を受け付けないところもある。
しかし、生成AI/AIエージェントの進化スピードを考慮に入れると、消費者の代わりに企業の窓口にコンタクトし、取引まで完結させる「マシンカスタマー時代」の到来は目前といえる。Twilio Japanの中村氏は、「近い将来、AIによる通話体験は確実に当たり前のものになる。(Twilioも)プロダクトやソリューションはそうした時代を見据えて開発しているし、同時に人間のオペレータをより強力に支援する、つまりAIと人を情報でつなぐ仕組みを構築したい」と方針を説明した。
「マシンカスタマー・フレンドリーなサービスやソリューション」は、今後の顧客接点における大きなテーマとなる。GensparkとTwilioの挑戦は、その先駆けとなりそうだ。
 

2026年06月15日 16時48分 公開

2026年06月15日 16時48分 更新

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