Editor's Eye 

CS News Watch(10) 生成AI利用のグローバル調査に見る日本のCX課題

日本で多数占める「信頼はしているが使っていない」

対話・買い物は抵抗感示すも「手続き」は大歓迎

産業分野ごとのAI化に対する受容性は、国ごとの価値観の差異を如実に物語っている。
日本は、「行政手続きの負荷軽減」や「製造品質の向上」など、利便性向上には約7割が肯定的。しかし、「パーソナルAIとの対話」や「AIアバターによる接客・買い物」に対しては、「好ましくない」とする層が過半数を超える。「情緒的な領域へのAI侵食」に対する心理的障壁が高い。
一方、中国は全項目において極めて高い受容性を示しており、AIによる最適化を是とする共通認識が見て取れる。
米独は、産業のAI化に対し賛否が割れている。独国において特筆すべきは、「個人データの収集および企業間・部門間での共有」に対する強い抵抗感。中国がデータの統合による「全体最適」を歓迎しているのに対し、独国は品質向上のためであってもデータ共有への警戒を解かない傾向が強い。
中国以外の3カ国は、「あまりにもパーソナライズ化された社会」への畏怖感が強そうだ。自分の情報漏洩に対する恐れが強いと言い換えることもできる。


同調査ではかなり詳細なクラスタ分析結果も公開されているが、全体的に日本の消費者のAIに対する受容度・利用度は他の3カ国より低い。とくに「AIに対する信頼度」は米・独より高いが、利用まではしない、いわゆる「待機組」が多数を占めている点が最大の特徴だ。

細かく見ると「仕事や勉強」での利用は限定的だが、「趣味・娯楽」でのAI利用率は他国と比較しても低くはない。実務的なツールとしては、ハルシネーションの発生リスクなどが喧伝されているためやや懐疑的だが、エンターテインメント領域に対しては心理的ハードルが下がると言ってよさそうだ。サービスを提供する企業にとっては、こ点と前記した利便性向上の2つのポイントがAI活用のトリガーとなる可能性が高い。
情緒的なコミュニケーションの価値は人間に求め、「(エンタメコンテンツなどを)楽しむための利便性」はAIによる自動化を歓迎するーー行き過ぎたパーソナライズ対応に対する警戒心に留意しつつ、エフォートレス体験をAIで積極的に提供するというバランス感覚が企業に求められると言えそうだ。

2026年03月24日 17時46分 公開

2026年03月24日 17時46分 更新

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