vottia

オペレータはさまざまなシステムの操作や照会、多数の判断を積み重ねて顧客を問題解決に導く。応対自動化に取り組むセンターは多いが、その範囲が定型的かつ簡単な問い合わせにとどまっているのは、そのためだ。「一般的に、従来のシナリオ型や機械学習型のボットで自動化できるのは、顧客応対の約3割。AIエージェントは、これまでの自動化の限界を打ち破ることができる存在」。こう強調するのは、vottia 取締役 プロダクト担当の向川啓太氏だ。
同社は、2025年4月にアウトソーサー大手のトランスコスモスと、有人チャットやボイスボットなどのSaaSソリューション「MOBIシリーズ」を展開するモビルスの合弁会社として設立。コンタクトセンター活用に特化したAI Agent SaaS Platform『maestra(マエストラ)』とともに、導入・運用支援を提供している。
maestraは、マルチエージェントによる顧客対応の完全自動化を支援する。例えば、メーカーの修理対応受付業務では、オーケストレーターの役割を果たすメインエージェントが顧客と対話を進め、「日程調整」「問診・切り分け」「在庫管理」などタスクごとに専門エージェントを呼び出して、「外部データの参照・登録」など必要なアクションを実行。その結果をメインエージェントに戻して、対話に反映するという仕組みだ。「最大で問い合わせの90%超を自動化可能と考えています」(向川氏)。
こうした複雑な対話プロセスを、コンタクトセンターの現場が業務の状況に合わせて改善・変更していくことを前提に、管理画面のUIはシンプルさを追求。導入障壁の解消に取り組んでいる。複雑なタスクを実行するためのカナメである外部システムとのMCP(Model Context Protocol)接続については、テクマトリックスの『FastHelp』はすでに確認済で、主要なシステムから検証を進めていく。向川氏は、「スプレッドシートやSalesforceなどセンター内で使われる主要なツールの検証を進めています」と、国内における運営の“スタンダード”に寄り添う姿勢を示す。
AIエージェントの導入は、セルフサービスのCX向上にも寄与する。従来の、Webサイトの記事からチャットボット、チャットボットからFAQと、問題解決までに複数のチャネルをまたがなければならないような「たらい回し」構造が、AIエージェントという1つのインタフェースで完結。「顧客が各チャネルのインタフェースに合わせて操作する」というエフォートの解消も期待できる。
同社は、導入加速を図るべく、業界・業務ごとに最適化されたプリセットのエージェント群の提供などにも、取り組むという。
2025年11月20日 00時00分 公開
2025年11月20日 00時00分 更新