金子安通さんは今年、飲食店で働くサーバー(接客スタッフ)を対象とした表彰制度「S1サーバーグランプリ」に参加、審査員特別賞を受賞した。
金子さんは異色の経歴を持つ。大学卒業後、広告代理店に入社。29歳のとき、縁あって飲食店を譲り受け、日本酒をメインに取り扱う創作居酒屋をオープン。調理や接客、経営をすべてほぼ1人でこなし、美食家が集まる東京・神楽坂で、約20年間、常連に愛される店舗を経営していたが、東京都の道路計画をきっかけに閉業。転身を余儀なくされたが「夢をかなえるチャンス」と捉え、幼いころに憧れていた寿司職人を目指し、40代後半で金沢まいもん寿司に入店、一から修行を開始した。
金子さんは、「居酒屋では焼いたり煮たり、一通りの調理はしていましたが、魚は鯛や鯵などを少し扱う程度。年齢や経験は関係なく、“一年生”のつもりで毎日、最初に店に入って先輩方から、魚のおろしかたや寿司の握り方をイチから教わりました」と振り返る。
一人で切り盛りする店主と寿司店の
会員限定2025年06月20日 00時00分 公開
2025年06月20日 00時00分 更新