デロイト トーマツ ミック経済研究所(東京都千代田区、渡邊茂男代表取締役)は、「自動対話システム市場の現状と展望 2025年版」を発刊した。調査期間は、2025年1月~4月。
同調査は、「チャットボット(有人チャットを含む)」「ボイスボット」を提供するベンダー205社を対象として、そのうち主要な29社を調査したデータを基に市場の集計・分析を試みている。
なお、自動対話システムはSaaSで提供されるチャットボット(有人チャットを含む)、ボイスボットと定義し、CRM・SFAに搭載している対話機能は対象外とする。SlackやMicrosoft Teams、LINEなどのコラボレーションツール領域も含まない。
自動対話システム市場規模は、2023年度は前年比30.9%増の182億円。内訳は、チャットボットが145億円(構成比79.7%)、ボイスボットは37億円(同20.3%)だった。今後は、テキストと音声の両方を統合し、顧客(ユーザー)が自由に選択できるマルチモーダル化が進むことで、チャットボットとボイスボットは相乗的に市場拡大することを見込んでおり、同市場は2029年まで年平均成長率(CAGR)24.3%増で推移。2029年度の市場規模は636億円と予測している(図)。
チャットボット市場
2023年度のチャットボット市場は、前年比21.8%増の145億円となった。今後は、生成AIやRAG(検索拡張生成)、AIエージェント機能により、社外・社内利用ともに適用領域が拡大、導入が進むとみている。CAGR22.9%増で推移し、2029年度の市場規模は、2023年度の約3倍となる445憶円になると予測している。
ボイスボット市場
2023年度のボイスボット市場は、前年比85.0%増の37億円。人手不足の深刻化に伴い、電話業務の自動化・効率化のために導入する企業が増加。また、AIエージェント機能の強化により一層の用途拡大が見込まれる。2029年度までCAGR38.0%増で推移し、2029年度の市場規模は191億円になると予測している。
2025年05月19日 17時00分 公開
2025年05月19日 17時00分 更新