実践編
第5回
採用面接は、企業と応募者が初めて直接対話する場であり、企業の文化や価値観が応募者に伝わる重要な機会だ。応募者が自分らしく話し、企業との相性を確かめるためにも、面接官は「安心感」と「信頼感」を与える演出を工夫することが大切だ。今回は応募者の共感と信頼を勝ち得るために面接官が意識すべき6つのポイントを紹介する。
採用面接では「応募者の共感と信頼を勝ち得る」という意識が重要になっている。今回は、面接官が意識すべきポイントとして、(1)何を話しても大丈夫!という安全な環境づくり、(2)第一印象を左右する「見た目」と「声」、(3)応募者の「らしさ」を引き出す方法は「雑談」がカギ、(4)緊張している応募者には「緊張しちゃいますよね」と声がけする、(5)応募者の名前を覚えて笑顔で呼ぶ、(6)応募者を仲間にするフレーズ「私たちは」──の6つについて解説する(図)。
まず、応募者が安心して本音を話せるよう、面接会場全体に「安全な環境」を提供することが重要だ。例えば、会場の選び方ひとつでも、企業の姿勢が伝わる。受付や待合室にリラックスできる椅子や温かい照明を選ぶといった工夫が、応募者の緊張感が和らぐことにつながる。癒しの音楽をかけ、応募者を迎えるという企業もある。面接会場の配置も工夫し、応募者が圧迫感を感じずに座れるレイアウトを心がけたい。
オンライン面接の場合は、背景が整っていることや通信環境の安定を確認することが大切だ。とくに背景の選択には配慮が必要で、清潔でシンプルな背景や、穏やかな色調の空間が好ましい。面接官が応募者に向き合い、落ち着いた雰囲気を提供することで、応募者は「何を話しても大丈夫だ」と感じやすくなる。
会員限定2025年01月20日 00時00分 公開
2025年01月20日 00時00分 更新