トゥモロー・ネット(東京都品川区、李 昌珍代表取締役社長)は2024年9月、生成AIと連携した自動対応ボット「CAT.AI GEN-Bot」、ボイスボット「CAT.AI SPeech」、チャット対応ソリューション「CAT.AI OPerator」を提供開始する。これに伴い、AIコミュニケーションツール「CAT.AI」を「CAT.AI CX-Bot」に名称変更する。
「CAT.AI GEN-Bot」は、生成AIと連携し、ユーザーの発話、またはテキスト入力による問い合わせに対し、企業が保有するあらゆる情報を集約したデータベースに基づいて適切な回答文を作成して返信する自動対応ボット。自社で独自開発した自然言語処理エンジンを搭載し、高いデータ検索性を実現。API連携可能な生成AIは、OpenAI社の「ChatGPT」のほか、Google社の「Gemini」、Anthropic社の「Claude」など。
「CAT.AI GEN-Bot」の主な特徴
CAT.AI GEN-Botではハルシネーション対策の一環として、オープンデータの利用を制御し、適切な情報がデータベース上に存在しない場合は回答させない仕組みを構築した。トゥモロー・ネット取締役 CPO AIプラットフォーム本部長の澁谷 毅氏は、「AIが参照するデータベースの量・品質によって差がありますが、導入決定から運用開始までの期間は従来のチャットボットよりも大幅に短縮可能です」と解説する。
活用イメージは上図に示す通りで、企業の公式サイトやアプリ、チャット・FAQなど社外(顧客)向けサポートでの活用に加え、社内規定やガイドライン、ナレッジ統合ツールやヘルプデスクといった社内向けサポートの活用にも対応。
「CAT.AI OPerator」「CAT.AI SPeech」の主な特徴
「CAT.AI CX-Bot(旧CAT.AI)」は、チャットボットとボイスボットを同一プラットフォーム上で利用できるナビゲーション型AI。具体的には、レストランの予約や家電修理の受付など、スマートフォンの画面を活用しつつ自動音声で対話できるサポートを実現する。今回の名称変更に加え、AI対応から有人対応へシームレスに連携できる「CAT.AI OPerator」および氏名・住所・英数字・数字に特化した音声認識エンジンを搭載した「CAT.AI SPeech」の新機能を追加。両機能は、単一ソリューションとしても提供予定。
CAT.AI SPeechは、誤認識の削減を目的として、各種専用音声認識エンジンを採用したボイスボット。「東京都品川区東大井」という住所の発話を「トウキョウト シナガワク “キ”ガシオオイ」と誤認識した場合、全国の住所が登録されたデータベース上から、もっとも近い読み仮名の地名を検索し、「東京都品川区東大井でよろしいですか?」のようにユーザーに確認する。音声認識の難易度が高いとされる建物名についても、認識した住所から建物の存在を確かめたうえで「プロロジスアーバン品川ですか?」といった形で確認を取ることが可能だ。
澁谷氏は、「ヒトと対話するAIだからこそ、コミュニケーションのしやすさを前提としてAIを駆使することが当社製品の強みです」と強調。そのうえで、今回発表の製品について、「CAT.AI GEN-Botは活用の自由度が高く、社内外問わずあらゆる用途に適しています」と説明。CAT.AI CX-Botは従来通りコールセンターでの活用がメインであるのに対して、CAT.AI GEN-BotはWebサイト上のFAQやチャットボット上での活用を想定しているという。
2024年07月18日 13時10分 公開
2024年07月18日 13時10分 更新