シームレスなチャネル連携でCXを高める! “顧客の期待”に応えるオールインワン戦略

「複数のチャネルを用意しても、顧客の期待に応える体験を提供できている企業は少ない」。そう強調するのは、Cisco Systems Webex カスタマーエクスペリエンス APJC ディレクターのJamie Romanin(ジェイミー・ロマニン)氏だ。成熟化しつつあるクラウドコンタクトセンターシステム市場において、2021年に提供を開始した『Webex Contact Center』の導入をいかに拡大していくのか。機能強化のロードマップと戦略を聞いた。

 

Mr.Jamie Romanin
Cisco Systems Webex カスタマーエクスペリエンス APJC ディレクター  Jamie Romanin氏


――アジアパシフィック地域においてのCX推進について、トレンドをどのように見ていますか。
ロマニン
 オーストラリア市場をはじめ、多くの国でクラウドシフトが進んでいますが、単なるインフラのリプレースというよりは、「顧客とのコミュニケーションの刷新を図る」という明確な目的持っている企業が増えていると感じています。
――ニーズの変化の背景は。
ロマニン
 「ITコンシューマライゼーション」が進んでいると推察します。言い換えると、企業に問い合わせを行う際も、家族や友人との普段のコミュニケーションと同様の体験を求めているということです。電話、メール、チャットなど、複数のチャネルを問い合わせ内容や状況に応じて使いわけ、なおかつシームレスにチャネルを行き来したいというわけです。一方で、若い世代に顕著ですが、チャットボットやボイスボットによる自動応答のニーズも拡大傾向にあります。
――技術的な観点では、こうした「オムニチャネル対応」をシステムで実現することが可能ですが、日本では今ひとつ進んでいないように見えます。
ロマニン
 とくにデジタルインタラクションの活用は、遅れ気味だと思います。音声以外のチャネルも用意している企業は多いのですが、消費者の期待に応えられる水準ではないケースが多い。直感的に選択できなかったり、普段のコミュニケーションとは異なる操作が必要だったりすることが考えられます。加えて、近年は問い合わせ前の行動や情報に基づいたパーソナライズ対応の需要も増しているため、チャネルの連携性にも課題があるのではないでしょうか。
――クラウド型コンタクトセンターシステム『Webex Contact Center』は、こうした市場環境のなかで、どのように価値を提案していくのでしょうか。
ロマニン
 クラウド型コンタクトセンターシステム市場は、拡大期から成熟期に移行しつつありますが、シスコとしては「消費者の期待に応える体験の提供」という意味において、市場シェアをとるチャンスはあると考えています。Webex Contact Center は、セキュアなWebexプラットフォーム上で、音声(電話)、チャット、ビデオ、自動応答といった複数のチャネルを提供するほか、バックオフィス部門とのコミュニケーションも完結できる「オールインワン」を強みの1つとしています。
――具体的にどのような体験を実現できるのでしょうか。
ロマニン
 例えば、物流のコンタクトセンターでは、商品の配送前に顧客に「LINE」や「Apple Business Chat」といった主要なチャットチャネルで自動メッセージを送信して、配送時間の在宅状況を確認。顧客が「いません」と回答した場合はそのまま日程変更を行い、人を介在せずに再配達設定を完結できます。また、コロナ禍以降、世界的に増加傾向にある、店舗に設置したキオスク端末におけるビデオ対応もシームレスに連携可能です。当社が音声、ビデオ会議の領域で培ってきたテクノロジーによって応対を支援することにより、CX向上に寄与します。
――テクノロジーの例を教えてください。
ロマニン
 生成AIの活用により、電話応対の根本である音声をクリアな品質で維持します。オペレータ、顧客双方にとって「聞こえやすい」だけでなく、音声認識のテキスト化の精度向上につながるため、CXに資するあらゆる施策の精度向上も可能と考えています。
――Webex Contact Center の機能ロードマップについて教えてください。
ロマニン
 新機能の実装は全世界共通タイミングで実施します。一部はβ版になりますが、応対の自動要約に加え、オペレータの全件パフォーマンス分析および指導コメントの生成、ストレスが蓄積したオペレータに自動で休憩を取得させるなどしてバーンアウトを抑止する機能を間もなくリリースする予定です。このほか、直近の大きな強化として、Webex Contact Center のライセンスにコールの品質管理機能の追加、『Service Cloud』『Dynamics365』『SeivceNow』といった主要なCRMシステムとの密な連携機能も予定しています。
――日本のCRMベンダーとの連携予定はあるのですか。
ロマニン
 すでにテクマトリックスとは、他のグローバルベンダーとそん色ない連携が可能です。今後も市場シェアを鑑みながら、連携を拡大していく計画です。
――クラウド市場における訴求ポイントを教えてください。
ロマニン
 ネットワーク、セキュリティのリーディングベンダーという強みを活かして、クラウド上でも安定稼働、情報の安全性を担保したうえでのコールセンター運営の実現を支援するべく、Webex Contact Center 、Webexプラットフォーム双方の強化を図る方針です。
 

2024年06月04日 16時00分 公開

2024年06月04日 16時00分 更新

おすすめ記事

その他の新着記事