セブン銀行
260万人/日のATM利用者のCXを高める
チャットを基軸としたノンボイス戦略
セブン銀行は、2018年にチャットボットを運用開始して以降、ノンボイスチャネルへのシフトを図っている。ビジュアルIVRでチャット窓口への導線を強化し、2023年にはチャットボットを「KARAKURI chatbot」に刷新。ボットから有人への切り替えやパーソナライズ対応を実現、エフォートレスなサポート窓口の構築を目指している。
Center Profile
口座開設や各種手続きに関するコンタクトセンター(平日・土曜9時〜18時、カード紛失対応は24時間365日)を運営。電話・メール・チャット・SNSで対応。ノンボイス化を推進、その比率は全問い合わせの約5割を占める。日本語のほか英語、中国語、タガログ語など9カ国語による多言語サポートを実施している。
通勤時間などのスキマ時間に手軽に問い合わせできる、「チャット窓口」の存在感が増している。コンビニ銀行大手のセブン銀行では、「時代の変化に対応した新しい顧客体験の提供」を理念に掲げ、顧客接点の多様化に適応したDX事業を推進。その一環として、コンタクトチャネルのノンボイスシフトを図っている。
同行の個人口座数は、2022年度末時点で275万5000口座。ATM設置件数は国内約2万7000台、コンビニエンスストア併設の高い利便性によって、日別利用者数は260万人に達する。利用が拡大する一方で、サポートの運用負荷が大きな経営課題となっている。リソースの最適化とCX(顧客体験)向上を両立するためにも、オペレータに問い合わせることなく解決できるセルフサポート体制の構築が喫緊の課題だ。
コンタクトセンターは、口座開設や各種問い合わせに対応する「バンキング統括部門」と、ATM備え付けのインターホン経由でつながる「ATMオペレーション部門」の2部門で構成(図1)。バンキング統括部門では、日本語のほか9カ国語による多言語サポートを実施している。
バンキング統括部門が運営するコンタクトセンターは約100席で、電話やメール、チャット、SNS(X:旧Twitter)で対応している。営業時間は平日・土曜9時〜18時で、カード紛失対応窓口は24時間365日稼働。有人対応の件数は、全チャネル合わせて月間4万件程度。多言語対応窓口は、在日外国人からの送金アプリ「SEVEN BANK Money Transfer」に関する問い合わせも多い。
ピーク時もFAQ誘導で即解決
コールバック予約にも対応
従来、コンタクトチャネルの中心は電話だったが、呼量変動が大きく、ピーク時の接続品質の維持が課題だった。日曜や祝日明けは、問い合わせが急増。定期的に実施するキャンペーンに対する反響も大きく、応答率が下降する要因となっていた。同社では、BPO大手のアルティウスリンク(当時はKDDIエボルバ)のビジュアルIVR「VisualMenu」を導
会員限定2024年01月20日 01時20分 公開
2024年01月20日 01時20分 更新
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