IT

2023年3月号 <ITの選び方&使い方>

ラクスル

ITの選び方&使い方

<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。

ラクスル

「オペレータ視点」でコンテンツを改良
問い合わせ発生率を下げたFAQ導入・運用法

 FAQは豊富にあるが、顧客からの問い合わせが減らない──。

 印刷や広告のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」を展開するラクスル(東京都品川区、松本恭攝代表取締役社長CEO)は、印刷サービスの領域において、FAQページの“ゼロ件ヒット(ノーヒット)”の割合が高いことを課題としていた。

 FAQページは、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)のひとつである「WordPress」を使い内製。検索エンジンも同ソフトウエアのプラグインを活用していたため、入力した質問に該当するFAQが存在するにも関わらず、検索結果に表示されないなど、求める検索精度に至らず改良を検討した。

 中長期的な成長投資に対して、どのくらい問い合わせを減らせるかのROI(投資収益率)を検証し、Helpfeel(京都府京都市、洛西一周代表取締役/CEO)の検索型FAQシステム「Helpfeel」の導入を決定。それにより、運用から半年後には、課題だったゼロ件ヒットを削減し、KPIに設定した「問い合わせ発生率」を約10%下げる結果となっている。

今月のPOINTS!

システム概要
Helpfeel(京都府京都市、洛西一周代表取締役CEO)のFAQシステム「Helpfeel」。検索キーワードに対応させたコンテンツへの同義語の整備や、チューニングも重ねたことで、課題だったゼロ件ヒット(ノーヒット)を削減。KPIに設定した「問い合わせ発生率」を約10%下げている。

選び方のポイント
検索精度の高さをシステム選定の基準とした。検索結果や、あいまいな表現、スペルミスなどにも対応し、「意図予測検索」という独自の技術を実装するHelpfeelを採用。

使い方のポイント
導入時には、ユーザーが使用する検索キーワードと、FAQコンテンツを比較し、両者のズレを埋めるための辞書登録を実践している。初期設定は必要最小限にとどめ、運用をしながら用語やコンテンツの変更などを行い、さらなる検索精度の向上に、力を入れた。Helpfeel社による手厚いフォロー体制もあり、導入から半年後には、ラクスルの求める成果を出している。

執行役員/VP of Operation, Raksulの関 淳生氏

執行役員/VP of Operation, Raksulの関 淳生氏

実際のチャットボット。よくある問い合わせのほか、単語もまとめるなどユーザーへの配慮が分かる

実際のFAQ。よくある問い合わせのほか、単語もまとめるなどユーザーへの配慮が分かる

 

2024年01月31日 18時11分 公開

2023年02月20日 11時35分 更新

おすすめ記事

その他の新着記事

  • スーパーバナー(P&Wソリューションズ)

購読のご案内

月刊コールセンタージャパン

定期購読お申込み バックナンバー購入