アウトソーシング / 品質の向上 / VOC活用 / ビジネス戦略
2019-11-13

[ビジネス戦略③] 人とAIを融合させた次世代コンタクトセンター運営サービス / NTTマーケティングアクトProCXPR

人とAIを融合させた次世代コンタクトセンター運営サービス

NTTマーケティングアクトProCX
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対象ユーザー 小規模から大規模のコンタクトセンターまであらゆる規模に対応
対象規模 10席~50席を中心に、100席以上にも対応可能。1席からでも相談可能
製品形態 アウトソーシング・業務委託・BPO
価格情報 個別見積り
製品概要 深刻な労働力不足の環境下でも「CX(カスタマー・エクスペリエンス)」は向上したい─―多くのセンター運営企業が抱えるこの難題に対し、NTTマーケティングアクトProCXは、人と最先端のAIを融合したコンタクトセンター運営サービスで応える。具体的には「CX創出へ向けた高品質なお客様応対」「新チャネルを創出するチャットソリューション(自動・有人のハイブリッド運用)」「お客様の声(Voice of Customer)分析サービス」等の提供により、クライアントの経営課題解決・売上拡大に貢献するバリューパートナーとしてビジネスをトータルサポートする。
■ホワイトペーパーダウンロード
解説レポート コンタクトセンターの価値を高める「カスタマーエクスペリエンス戦略」 ~Part.1 アフターコロナに問われる顧客接点の条件「経営貢献する組織」の作り方
解説レポート コロナ禍で変わる顧客接点 勝ち残るための在宅&デジタルシフト
Part.1~事例に見る「在宅」成功の秘訣
解説レポート 「同一労働同一賃金」実態調査レポート――いよいよスタートした「同一労働同一賃金」 調査に見る委託/派遣の現状と課題

対話から得られる『VOC』の資産価値
音声認識で進化する“CX”を提案

ビジネス戦略

NTTマーケティングアクトProCX

顧客の声(VOC)の活用を意識しないコールセンターは存在しない。そのベースとなるVOCデータの生成に威力を発揮するとされている音声認識システムだが、「高価で運用の難易度が高い」という課題が残されている。NTTマーケティングアクトProCXは、そうした課題に対し、最新のテクノロジーとセンター運営から得られた知見で“回答”を提示。「高度FAQコンサルティングサービス」など、さまざまな付加価値を提案している。

大城 昭人 氏

NTTマーケティングアクトProCX
カスタマーソリューション
事業推進部
名古屋FAQサポートセンタ
担当課長
大城 昭人 氏

清水 健二郎 氏

NTTマーケティングアクトProCX
カスタマーソリューション
事業推進部
取締役 第一営業部門長
清水 健二郎 氏

 コンタクトセンターで蓄積できる顧客の声(VOC)とは、「オペレータの入力情報」がベースとなっている。結果的に、その“情報としての価値”は、オペレータの入力や要約スキルに依存せざるを得ない。さらに、センターの繁忙度合い(忙しい時間帯は入力する後処理時間を十分に確保できない)や顧客管理画面の構造(入力しにくい画面構成など)など、その価値を左右する不確定要素は多い。

 そこで注目されているテクノロジーが「音声認識」だ。顧客との対話音声をすべてテキスト化することで、これらの課題はほぼ解消できる。テキストマイニング・ツールと組み合わせることで、“生の声”に近いVOCを分析対象とすることが可能だ。大手アウトソーサーのNTTマーケティングアクトProCX(大阪府大阪市、室林明子社長)は、この音声認識システムを中核とした、さまざまなVOC活用ソリューションを提案している。

高い、大変、難しい── 音声認識の「課題」を解消

 音声認識システムそのものは、2000年代はじめには欧米のコールセンターで運用が開始されたように、決して目新しい技術ではない。しかし、日本語環境においては辞書の精度向上に膨大な手間とコストを要するため、本格普及には至っていなかった。しかし、ここ数年、「AI(人工知能)」の進化とクラウド化によって低コスト化と高機能化が一気に進行し、再注目されている。

 しかし、それでもなお、図1にある通りさまざまな課題が指摘されている。クラウド化されたとはいえ、それでも中小・中堅企業や部門単位で手軽に導入できるほど安価ではない。AIによって進化したとはいえ、チューニングは絶対に欠かせない。業務設計と運用の手順やノウハウがない──などだ。NTTマーケティングアクトProCX カスタマーソリューション事業推進部第一営業部門長の清水健二郎氏は、「ITソリューションの活用からセンターの運用まで、すべてのプロセスを一気通貫で提案・提供できます」と、それらの課題に対する同社の強みを強調する。

 図1の右にあるように、同社が運営するセンターには、音声認識からVOC分析、それを活かしたFAQ作成・運用、チャットソリューション、RPAシステムといったAIコンタクトセンター基盤が用意されている。それらをオールインワンで、かつ複数の企業に同時にサービスとして提供する“マルチテナント型”で運用しているため、圧倒的なローコスト(図1参照)および迅速な導入が可能だ。

図1 音声認識システムの課題とNTTマーケティングアクトProCXが提供する解決策

図1 音声認識システムの課題とNTTマーケティングアクトProCXが提供する解決策

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最大の難所「チューニング」には3種類の辞書を駆使

 音声認識システムの導入後、その成果を決定づける最大の要素が、「辞書のチューニング」だ。一部のAIソリューション導入事例では、このチューニングに年単位の期間を要しているケースもある。

 NTTマーケティングアクトProCXが提供する「ACT-VOC(仮称)」のチューニングの概要を示したのが図2だ。

 コンタクトセンターで導入する音声認識システムの辞書には、大きく(1)一般用語、(2)業界用語、(3)個社ごとの用語の3種類が必要で、それぞれ精度向上のためのチューニングを施すことになる。ACT-VOCでは、(2)は同社が提供する業種ごとのコーパスを利用し、(3)は同社がセンターを運用する過程で構築するため、委託する側の作業量は大幅に削減できる。導入時に課題視される傾向が強い認識率も、「3階層モデルならば、チューニング後の認識率を約90%まで向上できます」(清水氏)と自信をのぞかせる。

 高精度の認識機能を用いたさまざまなソリューションを、安価かつ短期間で利用できる──普及しつつあるとはいえ、ここまで“至れり尽くせり”なサービスも希少といえる。

図2 業界コーパス活用による音声認識チューニング

図2 業界コーパス活用による音声認識チューニング

業界の常識を覆す! VOCをベースにFAQを自動生成

 音声認識システムを活用したVOC関連サービスにおいて、同社が高い成果を挙げているのが「FAQ」の構築と運用だ。

 「高度FAQコンサルティングサービス」としてリリースしたサービスは、音声認識システムでテキスト化したデータをベースにFAQを自動生成、最適化する機能を提供する。同サービスの中核を担っているのが、東海支店カスタマーソリューション事業推進部のFAQサポートセンタだ。

 同センタ担当課長の大城昭人氏は、「とくに市役所などの公共系の窓口で多くの実績を持ちます」と説明したうえで、「担当者が事前に想定したFAQだけではなく、実際に応対したすべての内容であるVOCをベースに構築できる点が強み」と強調する。

 同サービスの中核をなしているのが、NTT西日本R&Dセンタが独自開発した、VOCデータからFAQを自動生成するAIソリューション「Q&A Generator(キューエージェネレーター)」だ。

 従来もVOCデータをベースにしたFAQ構築を実践するセンターはあったが、「コールリーズンに基づいたカテゴリー整理からFAQの抽出、既存FAQとのクレンジングなど、ほぼすべてのプロセスが手作業」(大城氏)というのが現状だ。Q&A Generatorは、カテゴリー整理とFAQ抽出、関連FAQとの関連付けといった一連の作業をすべて自動化できる(図3)。

図3 「Q&A Generator」によるFAQ自動生成の仕組み

図3 「Q&A Generator」によるFAQ自動生成の仕組み

 具体的には、(1)タギング:VOCデータにタグ(カテゴリ候補)を付与し、階層化する、(2)抽出:VOCデータのなかから問い合わせ・回答内容を抽出し、抽出データを要約・成形する、(3)関連付け:抽出したQ&Aデータと既存FAQを関連付ける──というプロセスを自動化する。

 もっとも手間がかかるが、検索の最適化にとって重要なプロセスがカテゴライズだ。(1)のタギングでそれを自動化できる効果は大きい。画面はタギングの一例だが、親タグである「印鑑登録」に子タグ(証明/申請/請求)が紐づき、子タグそれぞれに孫タグが紐づいている。これによって、膨大なFAQが整理され、適切なカテゴリの階層設計が常に表示される仕組みだ。

FAQ管理画面例

画面 FAQ管理画面例──タグ付けされたキーワードで階層化される

 大城氏は、「AIが膨大な対応データから質問と回答を抽出し、FAQを自動作成します。従来の人手をフル活用して実践してきたプロセスをAIで行うことで、より多くの応対データをベースにFAQを作成。精度も効率も向上します」と説明する。

 ここ数年、オペレータのデスクトップに該当するFAQなどのナレッジを自動表示するAIソリューション事例が登場している。しかし、『AIを導入しても、基盤となるFAQなどのナレッジベースは人力で行わないといけない』というのが、これまでの常識だった。同サービスはその常識を打ち破る画期的な機能を提供しているといえそうだ。

センター探訪

AiLE池袋(エール池袋)

AiLE池袋

首都圏で最新AIを体験できる!
「働きやすさ」を追求した新センター

“西日本のテレマ企業”というイメージが強いNTTマーケティングアクトProCX。同社は東京でのセンター拠点を大幅に強化、池袋に新センターを設置した。業務拠点であると同時に、最新AIソリューションの“デモルーム”としての役割を担う新センターを訪問した。

福田 篤 氏

NTTマーケティングアクトProCX
カスタマーソリューション
事業推進部
AiLE池袋 所長
福田 篤 氏

 NTTマーケティングアクトProCXは、大阪市に本社を構え、NTT西日本のグループ会社なだけに、「西日本のアウトソーサー」という印象が強い。実際、東京にも拠点はあったものの、センター規模は小さかった。清水氏は、「東京のお客様企業から、東京のセンター拠点で業務を実施してほしいという要望をいただくことが増えました。そこで、池袋サンシャインシティに新センター『AiLE池袋(エール池袋)』を開設しました」と説明する。

 稼働開始は2019年4月。すでに保険、電力販売などの案件を受託、10月現在で80〜90シートが稼働している。同センターの福田 篤所長は、「最大で300席規模まで拡張可能です。マニュアルなどはすべて電子化したペーパーレス環境で、座席はオープンタイプのデスクを使用、フレキシブル性を確保しました」と説明する。

 同センターは、業務拠点であると同時に、“デモルーム”の役割も担う。「VOC分析からチャット対応まで、AIソリューションのデモ環境をすべて用意しました」(福田所長)というように、前記した東海支店を中心としたFAQ支援や、今春、オープンした愛媛県松山市の「MiraiZ(ミライズ)松山」で実施しているチャットセンターと連携、さらには同様の設備導入が可能だ。

 EX(従業員体験)視点での設備も充実。36階からの眺望を楽しめる休憩室にはWiFiを完備、携帯電話用の電源も設置した。テナント専門の食堂やリフレッシュルームも利用できる。福田所長は、「開設以降、退職者はいません」と自信をのぞかせる。

 『AiLE』という言葉には、“多様性”という意味も込められている。クライアント、スタッフなど、「多様な人間がつながっていく拠点」として、同社の中核を担う存在となりそうだ。

開放感のある仕切りのないオープンタイプのデスクを採用

開放感のある仕切りのないオープンタイプのデスクを採用

36階から東京の全景を望める休憩室

36階から東京の全景を望める休憩室

可動式のPCラックで足元も広々

可動式のPCラックで足元も広々

お問い合わせ先

株式会社NTTマーケティングアクトProCX
E-mail:cc_info@nttactprocx.com
URL:https://www.nttactprocx.com/

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2019年11月13日 10時00分 公開

2019年11月13日 10時00分 更新

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