2020年3月号 <Focus/コールセンター>

Focus

“声だけで真意を察するスキル”
『エスパー力』の鍛え方

「顧客が言葉にしないニーズ」を察するスキル。これを電話対応に求める記事が、SNSを賑わせた。「オペレータはエスパーじゃない」「時給で働く有期社員にどこまで求めるの?」といった論旨が多数を占めたが、実際、その“エスパー力”が必要なセンターもある。プロの視点と事例からその鍛え方を検証する。

 コールセンターのオペレータに求められる最も難易度の高いスキル。それが、状況察知力、いわゆる“察する力”だ。

 直接、顧客と対面しないコールセンターでは、表情から心情を察知することができない。もちろん、言葉や声音から、顧客が不満を感じているのか、喜んでいるのか程度は推察できるだろうが、問題は「言葉にしなかった用件やニーズ」を、どこまで察することができるのか、という点だ。

 図1は、2018年末、コールセンターに関する新聞記事で掲載された「顧客を怒らせた事例」をまとめたものだ。「店舗は何時まで開いてるの?」「17時まででございます」。一見、何の変哲もないこのやり取りが大クレームに発展した。この顧客の用件が「解約」で、印鑑を持参しなかったため手続きができず、「電話では聞かされていない」ということで騒動になったのだ。

図1 「察する力」に依存するリスク

図1 「察する力」に依存するリスク

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 このやり取りにおいて、Twitter上では「エスパーじゃないんだから、営業時間聞かれただけの電話で察しなさい、ってのは酷」というつぶやきが多くの共感を受けた。確かに、この場合は「店舗の営業時間や場所に関する問い合わせには、用件を確認すること」というスクリプトやマニュアルを用意すれば事足りる。

 一方で、「相談」や、顧客の目的自体が定まっていないため「提案」を要する問い合わせには、この「エスパー力」はやはり不可欠だ。識者や事例(アメリカン・エキスプレス)の取り組みからそのポイントをまとめる。また、図2に洞察力・察知力を高める「6つの質問力」を掲載する。

図2 洞察力・察知力を磨く「6つの質問力」

図2 洞察力・察知力を磨く「6つの質問力」

(参考出典:応対品質研究所)
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