2019年9月号 <CS戦略>

パプリックリレーションズ本部 コンシューマーリレーションズ室 坂本耕治室長

パプリックリレーションズ本部
コンシューマーリレーションズ室
坂本耕治室長

<コーナー解説>
カスタマーサービスに注力し、コールセンターやWebサイト、アプリなどを有効活用し成長している企業のキーマンに戦略を聞きます。

ストライプインターナショナル

「洋服のサブスク」を支えるFAQ強化

企業プロフィール

設立:1995年2月
資本金:1億円
事業内容:「ライフスタイル&テクノロジー」を事業領域とし、ファッションブランド「earth music&ecology(アースミュージック&エコロジー)」をはじめ、飲食やホテルなど、幅広い事業を展開している。

 「所有ではなく、一定期間の利用する権利」を販売するサブスクリプション・ビジネス。BtoBのクラウドサービスのみならず、音楽配信サービスや自動車など、BtoCにも拡張しつつある。

 大手アパレルメーカーであるストライプインターナショナルが打ち出した「ファッション・サブスクリプション」サービスが“メチャカリ”だ。同社が展開する約30ブランドをはじめ、50ブランドほどの新品の洋服が、同時に3アイテムまで月額5800円で借り放題となるサービスで、会員数は1万3000人を超えた。

 パプリックリレーションズ本部コンシューマーリレーションズ室の坂本耕治室長は、メチャカリについて「働く女性や子育てに忙しいママさんに多くご利用いただいている。アプリで簡単に借りられて、返却時のクリーニングも不要。衣替えも必要ない。その手軽さが、忙しくて洋服を買いにいくことに時間をかけられないお客様のニーズに合い、価値を感じていただいている」と言う。メチャカリは、これまでのECとは異なる、現代のユーザーニーズをとらえたサービスといえる。

 最大の特徴は、新品の商品を定額で借り放題という点。1回に3点までの新品商品が何度でも借りかえでき、60日間同じアイテムを借り続ければ、それが「プレゼント」されるということ。60日以前に割引価格で買い取ることも可能だ。

 これまでにないサービスなだけに、カスタマーサービス(サポート)の最大のミッションは「お客様の不安や戸惑いを解消すること」(坂本室長)にある。それも、利用年齢層が若いだけに、可能な限り手間を取らせない“エフォートレス”であることが好ましい。

 同サービスの利用は、すべてスマホアプリからだ。そこには、問い合わせの多い返却方法、無料体験、配送についてなど、大量のFAQが用意されている。もちろん、問い合わせフォームもあり、ECサイトのサポートと合わせて6名のスタッフが「24時間以内の返信」を実践している。

 CSに課された数値目標は、「顧客満足度調査のトップ・ツー・ボックスが80%以上」で、その実現には「解決までのスピードが最も重要」(坂本室長)という。そのためにも、メール対応以上にセルフサービスを重視、FAQだけでなくチャットボットも導入した。

 坂本室長が「カスタマージャーニーを描き、解約される前にアクティブサポートでアプローチするなど、新たな試みも計画中」と説明するように、サブスクリプション企業の命題である“カスタマーサクセス”に向けて挑戦が続きそうだ。

「メチャカリ」のトップページ(左)とFAQ画面。すっきりした構成で見やすさを重視

「メチャカリ」のトップページ(左)とFAQ画面。すっきりした構成で見やすさを重視