2019年7月号 <サービスのプロに聞く>

山田 真弓 さん

<コーナー解説>
店舗など、コールセンター以外を含めた接客やサービスのプロにその心構えやノウハウを聞きます。

選ばれし“ロイヤルスタッフ”に学ぶ
カスタマーエクスペリエンス向上のコツ

JTB
ロイヤルスタッフ
山田 真弓 さん

Profile

「旅行が好きで、人と接するのが大好き」これらを生かせる仕事に就きたいと思い2002年JTBへ入社。横須賀支店、新橋支店、ブライダル事業部、ロイヤルロード銀座を経て現在のトラベルゲート有楽町へ。
入社から6年連続、優秀な成績を残し社内の業績表彰制度「J-TOPS」で表彰される。2008年には社内の厳しい審査を経て、JTB最高峰の資格「ロイヤルスタッフ」へ認定される。

 現場スタッフにとって、カスタマー・エクスペリエンスを向上する提案に“コツ”があるとすれば、「実際に体験したサービス」を的確な表現で顧客に伝えることかもしれない。JTBの山田真弓さんは、もともと旅行が大好きで、訪問先では「自分の足で、宿泊先以外のホテルも、できる範囲で実際に見て回るようにしています」と笑顔で語る。

 山田さんは、同社のリテール部門に所属する約5000人ものスタッフのなかから選ばれた23人の「ロイヤルスタッフ」の1人。

 本当に満足のいく体験を顧客に提供するためには、豊富な情報網に加え、顧客のニーズを適切に聞き出すヒアリング力が欠かせない。山田さんは、できるだけ営業トークではない会話で潜在ニーズを引き出すことを心がけているという。例えば、「予算はいくらか?」という問いから入るのではなく、「前の旅行先はどこに行ったのか」「どうしてリゾートなのか」「ハワイに決めたのは奥様のほうなのか」といった質問からスタートする。まずは顧客の好みや人柄を理解し、提案すべきプランを絞るやり方だ。

 会話で最も重要なのが「決して押し付けないこと」と山田さんは付け加える。「お客様自身が真に求めている旅行にたどり着くためのお手伝いをすることが仕事。選択肢は複数提示しますが、必ず最後にはお客様自身に決めていただきます」と強調する。顧客が自分自身で“行きたいところを選んだ”という実感こそが、満足度を上げる秘訣であり、信頼関係を築くために不可欠だと山田さんは考えている。

 山田さんは顧客にとって最適なものだと判断すれば、たとえそれが他社の商品やインターネット販売の商品であったとしても、優先的に勧める。「その時は成約しなかったとしても、別の旅行に行く際に再来店して下さるお客様が多くいます」と笑顔で話した。

 “顧客との信頼関係”に重きを置き、目先の成約に捉われない長期的な関係を築く姿勢こそ、「リピートされる接客」のポイントと言えそうだ。